天下界の無信仰者(イレギュラー)
燃え尽きろ
「七大天羽メタトロン。最強の天羽もこれでは形無しだな」
神徒の神託物はレジェンドクラスだ。本来なら同じレジェンドでしか傷つけられないが、そのメタトロンが片腕を失い体はひび割れている。
同じ天羽として見るも無残な姿だが、これは好機だ。
ウリエルは左手を上に向けた。手の平の上空が渦を巻き初めいつしかそれは熱風となっていた。
それも尋常ではない熱だ、ウリエルの左手には赤い輝きを放つ球体が浮かび、それは小さな恒星のようだった。
膨れ上がる熱の球体。しかしそれが一気に収縮されウリエルの手の平に収まった。
それは熱の圧縮だ。押し込められることで超高温にまで熱が上がっている。
「燃え尽きろ」
左手をメタトロンに向ける。直後圧縮させた熱を解放させた。手の平から赤い熱線が放出される。
その熱量はすさまじく、メタトロンへと向かう最中空間を歪曲させていく。たとえビルでも一瞬で溶解、一閃するほどの熱。その激しい本流がメタトロンに直撃した。
片腕で防御しながらも徐々にだが押されていく。メタトロンの両足が地面を抉っていくのだ。
ウリエルの攻撃が終わる。メタトロンは受け切るも片腕が三分の一ほど焼け落ちていた。
長期戦は駄目だ。遠距離からあの熱線を何度も撃たれれば倒される。
メタトロンは走りウリエルを殴りつけた。単純にて絶対的な力。その猛威が迫る。
だがウリエルは躱そうとはしなかった。むしろ剣を両手を握ると拳に合わせ突きを入れたのだ。
両者の力が激突する。衝撃波は竜巻さながらの暴風となってウリエルの髪を乱す。
ウリエルは剣の力を前ではなく下へと向けた。それによりメタトロンの拳が下へと流された。同時にウリエルも下降しつつメタトロンに近づいていく。
急接近するウリエルの飛翔にメタトロンの巨体では追いつかない。ウリエルはメタトロンの腰に到着すると、剣を突き刺し急上昇、胴体を掻っ捌いていく。
メタトロンの体に新たな亀裂が刻まれていき、ウリエルは胸を通過したところで振り切った。そのまま上空へと飛んでいく。
メタトロンは胴体を縦一直線に斬られたことに両膝が折れた。斬られた衝撃は全身に及んでいる。
ウリエルはメタトロンの頭上高くで翼を広げる。八枚の羽は全開に広げられウリエルは眼下で膝を付くメタトロンに告げる。
「終わりだ」
それは最後の一撃。これにて最強の天羽メタトロンに引導を渡す。
ウリエルは左手を剣から放すと手の平に炎が燃え上がった。それは青色の炎。それを直下に向け発射した。
「無価値なる炎)」
さきほどの空間すら震わすほどの熱線に比べこれは静かなものだった。だがその脅威は比べものにならない。なぜならさきほどのが破壊攻撃ならこれは消滅攻撃だからだ。
無価値なる炎。これは単なる炎でも熱でもない。
というよりも熱を持たない。これの正体、それは『すべてを消滅させる』という概念攻撃だ。物体も、霊体も、概念すらも。あらゆるものを消滅させ無とする攻撃。
衝撃はない。振動もない。空間に漂う分子すらこれに触れた瞬間消滅している。空気という伝導体を失ったためにこの攻撃は静かだ。
触れたものすべてを消滅させるがゆえに防ぐ術はない。
ウリエルが誇る彼女しか持たない唯一の力。それを頭上から受けメタトロンは頭から消滅していった。みるみると上から全身が消されていく。
ウリエルはメタトロンの腰まで消滅させると攻撃を解いた。
地上には膝を付いたままの両足だけが残され、それも光となって消えていった。
その前、エノクはメタトロンに加勢しようと振り返る。
「させんよ!」
ミカエルは光線をエノクに放つ。ウリエルの熱線にも匹敵する奔流が襲うがエノクはそれを斬り伏せた。しかしその隙、ミカエルは前に立ちはだかった。
「どこに行こうというんだい? 私を無視するとはひどいんじゃないかい?」
「そこをどけミカエル」
「出来ない相談だ」
神徒の神託物はレジェンドクラスだ。本来なら同じレジェンドでしか傷つけられないが、そのメタトロンが片腕を失い体はひび割れている。
同じ天羽として見るも無残な姿だが、これは好機だ。
ウリエルは左手を上に向けた。手の平の上空が渦を巻き初めいつしかそれは熱風となっていた。
それも尋常ではない熱だ、ウリエルの左手には赤い輝きを放つ球体が浮かび、それは小さな恒星のようだった。
膨れ上がる熱の球体。しかしそれが一気に収縮されウリエルの手の平に収まった。
それは熱の圧縮だ。押し込められることで超高温にまで熱が上がっている。
「燃え尽きろ」
左手をメタトロンに向ける。直後圧縮させた熱を解放させた。手の平から赤い熱線が放出される。
その熱量はすさまじく、メタトロンへと向かう最中空間を歪曲させていく。たとえビルでも一瞬で溶解、一閃するほどの熱。その激しい本流がメタトロンに直撃した。
片腕で防御しながらも徐々にだが押されていく。メタトロンの両足が地面を抉っていくのだ。
ウリエルの攻撃が終わる。メタトロンは受け切るも片腕が三分の一ほど焼け落ちていた。
長期戦は駄目だ。遠距離からあの熱線を何度も撃たれれば倒される。
メタトロンは走りウリエルを殴りつけた。単純にて絶対的な力。その猛威が迫る。
だがウリエルは躱そうとはしなかった。むしろ剣を両手を握ると拳に合わせ突きを入れたのだ。
両者の力が激突する。衝撃波は竜巻さながらの暴風となってウリエルの髪を乱す。
ウリエルは剣の力を前ではなく下へと向けた。それによりメタトロンの拳が下へと流された。同時にウリエルも下降しつつメタトロンに近づいていく。
急接近するウリエルの飛翔にメタトロンの巨体では追いつかない。ウリエルはメタトロンの腰に到着すると、剣を突き刺し急上昇、胴体を掻っ捌いていく。
メタトロンの体に新たな亀裂が刻まれていき、ウリエルは胸を通過したところで振り切った。そのまま上空へと飛んでいく。
メタトロンは胴体を縦一直線に斬られたことに両膝が折れた。斬られた衝撃は全身に及んでいる。
ウリエルはメタトロンの頭上高くで翼を広げる。八枚の羽は全開に広げられウリエルは眼下で膝を付くメタトロンに告げる。
「終わりだ」
それは最後の一撃。これにて最強の天羽メタトロンに引導を渡す。
ウリエルは左手を剣から放すと手の平に炎が燃え上がった。それは青色の炎。それを直下に向け発射した。
「無価値なる炎)」
さきほどの空間すら震わすほどの熱線に比べこれは静かなものだった。だがその脅威は比べものにならない。なぜならさきほどのが破壊攻撃ならこれは消滅攻撃だからだ。
無価値なる炎。これは単なる炎でも熱でもない。
というよりも熱を持たない。これの正体、それは『すべてを消滅させる』という概念攻撃だ。物体も、霊体も、概念すらも。あらゆるものを消滅させ無とする攻撃。
衝撃はない。振動もない。空間に漂う分子すらこれに触れた瞬間消滅している。空気という伝導体を失ったためにこの攻撃は静かだ。
触れたものすべてを消滅させるがゆえに防ぐ術はない。
ウリエルが誇る彼女しか持たない唯一の力。それを頭上から受けメタトロンは頭から消滅していった。みるみると上から全身が消されていく。
ウリエルはメタトロンの腰まで消滅させると攻撃を解いた。
地上には膝を付いたままの両足だけが残され、それも光となって消えていった。
その前、エノクはメタトロンに加勢しようと振り返る。
「させんよ!」
ミカエルは光線をエノクに放つ。ウリエルの熱線にも匹敵する奔流が襲うがエノクはそれを斬り伏せた。しかしその隙、ミカエルは前に立ちはだかった。
「どこに行こうというんだい? 私を無視するとはひどいんじゃないかい?」
「そこをどけミカエル」
「出来ない相談だ」
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