天下界の無信仰者(イレギュラー)
栄光へと至る第八の力(エイス・セフィラー・ホド)
そんな中、ラファエルは気迫のある声で告げた。
「栄光へと至る第八の力」
それは彼女しか使えない、彼女だけの特別な力。その波動が全身から放たれる。
ラファエルは弓を構えた。矢を創り出し弦にセットしようとする。
「させるか!」
ヤコブは飛んだ。空間を飛び越えラファエルの正面から剣を振り下ろした。
それを、ラファエルは弓で振り払った。
「ぬ!?」
剣が弾かれる。女性、しかも片手だからと侮っていたのか予想外だった。ラファエルは弓で殴りつけてきたのだ。さらには創り出した矢も使い二つの武器で攻撃してくる。
ヤコブも剣を繰り出す。ラファエルの攻撃を盾で防ぎつつ剣撃を放つ。
ヤコブとラファエルの剣戟が広がった。高速で繰り出される互いの攻撃に激しい衝突音が鳴り響く。一振りごとに強風が起こり闘志がぶつかり合う。
ラファエルの弓の攻撃、それを剣で受け止めたヤコブは体勢を崩され後退させられた。
その隙にラファエルは矢をセットする。すぐさに弦を引き発射した。
その矢は分散した。一つだった光源は複数の矢となりヤコブを襲ったのだ。
だが、いくら数が多くても射線から外してしまえば意味がない。ヤコブは空間転移で上空へと退避する。
ヤコブが消えたことで矢は通過する。しかし、矢は一斉に方向を変えると、ヤコブめがけ上昇し始めた。
「なに!?」
かわしたと思われた矢が再び襲ってくる。この数捌き切れない。
ヤコブは盾を展開、前面を覆うバリアを張り矢の軍勢をかき消した。そうしなけばならないほど追いつめられていた。
「今のはなんだ!?」
明らかに普通の矢の軌道ではない。まるで意思を持つかのように追いかけてきた。いくらかわし続けても「終わりがない」。
「今のが」
ラファエルが発動した力、それがヤコブを追いかける矢の正体だった。
栄光へと至る第八の力。ラファエルが持つ固有能力。
 これにより発射された矢は活動停止という「死」という概念を無くし、的に当たるまで活動し続ける不死身の矢になったのだ。
 終わりのない矢はヤコブを追いかける。回避に意味はない。この矢一つ一つが誘導弾のようにして追いかけてくる。
しかし、この脅威的な力もホドの余技、本来の力ではなかった。
ホドの本質、それは生命を司ること、命という概念の操作だ。生きている者ならば即死させ、死んでいる者ならば蘇生させる。
 念じるだけで命を操ることができる能力こそがホドの本質だ。
ラファエルが本気を出せば、ヤコブは対峙した瞬間に死んでいたのだ。
それをしなかったのは、サリエル曰く「お優しい考え」からだった。ラファエルはこの力を殺すことに使いたくない。人を癒すべき力だと思っている。
それを余技とはいえ使用しているのは、それだけヤコブが強く、彼女の覚悟の表れだ。
ラファエルの第二打が迫る。いくつもの矢群となりヤコブめがけ空を走る。
このままではじり貧だ、ヤコブはすぐにラファエルまで飛び攻撃する。
ラファエルも空間転移によってヤコブをかわした。それを追撃しさきほどのように追走が開始される。
しかし、以前と違うのはヤコブもまた追いかけられていることだ。いくつもの矢は健在、空間を飛び回るヤコブを追いかけめちゃくちゃな軌道を描いている。
ラファエルはヤコブの攻撃をかわし防ぎながらも隙を見つけ発射してきた。それにより矢の数が増えていく。いつしか空間が無数の矢に覆い尽くされ、転移先がなくなっていく。
「ぬう!」
空間が狭い。こんな体験は初めてだった。盾で矢を打ち消そうにもその隙に背後を襲われる。防御では駄目だ、回避しなければならない。
「栄光へと至る第八の力」
それは彼女しか使えない、彼女だけの特別な力。その波動が全身から放たれる。
ラファエルは弓を構えた。矢を創り出し弦にセットしようとする。
「させるか!」
ヤコブは飛んだ。空間を飛び越えラファエルの正面から剣を振り下ろした。
それを、ラファエルは弓で振り払った。
「ぬ!?」
剣が弾かれる。女性、しかも片手だからと侮っていたのか予想外だった。ラファエルは弓で殴りつけてきたのだ。さらには創り出した矢も使い二つの武器で攻撃してくる。
ヤコブも剣を繰り出す。ラファエルの攻撃を盾で防ぎつつ剣撃を放つ。
ヤコブとラファエルの剣戟が広がった。高速で繰り出される互いの攻撃に激しい衝突音が鳴り響く。一振りごとに強風が起こり闘志がぶつかり合う。
ラファエルの弓の攻撃、それを剣で受け止めたヤコブは体勢を崩され後退させられた。
その隙にラファエルは矢をセットする。すぐさに弦を引き発射した。
その矢は分散した。一つだった光源は複数の矢となりヤコブを襲ったのだ。
だが、いくら数が多くても射線から外してしまえば意味がない。ヤコブは空間転移で上空へと退避する。
ヤコブが消えたことで矢は通過する。しかし、矢は一斉に方向を変えると、ヤコブめがけ上昇し始めた。
「なに!?」
かわしたと思われた矢が再び襲ってくる。この数捌き切れない。
ヤコブは盾を展開、前面を覆うバリアを張り矢の軍勢をかき消した。そうしなけばならないほど追いつめられていた。
「今のはなんだ!?」
明らかに普通の矢の軌道ではない。まるで意思を持つかのように追いかけてきた。いくらかわし続けても「終わりがない」。
「今のが」
ラファエルが発動した力、それがヤコブを追いかける矢の正体だった。
栄光へと至る第八の力。ラファエルが持つ固有能力。
 これにより発射された矢は活動停止という「死」という概念を無くし、的に当たるまで活動し続ける不死身の矢になったのだ。
 終わりのない矢はヤコブを追いかける。回避に意味はない。この矢一つ一つが誘導弾のようにして追いかけてくる。
しかし、この脅威的な力もホドの余技、本来の力ではなかった。
ホドの本質、それは生命を司ること、命という概念の操作だ。生きている者ならば即死させ、死んでいる者ならば蘇生させる。
 念じるだけで命を操ることができる能力こそがホドの本質だ。
ラファエルが本気を出せば、ヤコブは対峙した瞬間に死んでいたのだ。
それをしなかったのは、サリエル曰く「お優しい考え」からだった。ラファエルはこの力を殺すことに使いたくない。人を癒すべき力だと思っている。
それを余技とはいえ使用しているのは、それだけヤコブが強く、彼女の覚悟の表れだ。
ラファエルの第二打が迫る。いくつもの矢群となりヤコブめがけ空を走る。
このままではじり貧だ、ヤコブはすぐにラファエルまで飛び攻撃する。
ラファエルも空間転移によってヤコブをかわした。それを追撃しさきほどのように追走が開始される。
しかし、以前と違うのはヤコブもまた追いかけられていることだ。いくつもの矢は健在、空間を飛び回るヤコブを追いかけめちゃくちゃな軌道を描いている。
ラファエルはヤコブの攻撃をかわし防ぎながらも隙を見つけ発射してきた。それにより矢の数が増えていく。いつしか空間が無数の矢に覆い尽くされ、転移先がなくなっていく。
「ぬう!」
空間が狭い。こんな体験は初めてだった。盾で矢を打ち消そうにもその隙に背後を襲われる。防御では駄目だ、回避しなければならない。
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