死の支配者にレクイエムを

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第三百七十二話 三獄解放

三獄解放

鯨を拘束しながらも残魔力量の問題について考えていましたけれども、いい案は思い浮かびませんでした。そう考えている間にも黒縄は引きちぎられ、それを新たに呼び出すために魔力を使ってしまう。ミーナが攻撃し続けてくれていますけど、本当に効いているのか?ってくらい動きに変化がないから心配になる。
「・・・ミーナ・・・どう?」
「・・・全然効いてないです。」
・・・やっぱりそうだよね。・・・やるしか無いのか・・・。
「『開け地獄門。黒縄、焦熱、等活。その全ての真の力を我がものに。』」
そう言った瞬間に足から力が抜けてしまい、思わず膝をついてしまいました。・・・流石に3つ全てを同時に解放するのは無理があったか・・・だけど、やらなきゃ!!
「切り・・・裂け!!『黒縄地獄』!!」
リミッターを解除した黒縄を叩きつけると、ほんの少しですが傷が出来ました。
「・・・続いて・・・貫・・・・け、『等活地獄』!!」
先程できた傷口に等活地獄で作りだした巨大な杭を打ち込みました。それにはクジラも堪えたのか耳を劈く鳴き声が辺りに響きわたりました。・・・しかし・・・これだとまだ足りない・・・。もう少し打ち込まないと!!無理やり押し込もうかと考えていると、巨大な鉄の塊がさながらハンマーのように、杭を押し込みました。
「・・・焼き・・・尽くせ!!『焦熱地獄』!!!!」
地獄の業火を召喚し、それと同時に杭を消しました。業火はクジラの傷口から体内へと侵入すると、その身を内側から焦がしました。クジラは感じたことの無い苦しみに暴れ回り海が非常に荒れて思わず海に落ちそうになりましたが、黒縄を用いて、体を固定することで事なきを得ました。・・・星奈お姉ちゃんは大丈夫・・・じゃないよね・・・多分。
・・・トドメとばかりにミーナが鉄の塊を叩きつけるとようやくクジラの動きは沈黙しました。

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