死の支配者にレクイエムを

looc

第三百七十話 一角巨鯨

一角巨鯨

まあ、いるって言うのが正解だと思うけどね。これはただの勘だったのだが、そう思った瞬間のことでした。突如として海からなにかが飛び出してきました。それは一本の角でした。
「・・・角か。」
「・・・角ですね。」
「つまり、本当になんらかの生物がいるってわけか。」
「ですね。・・・私の索敵を掻い潜るような相手です。気をつけましょう。」
「・・・そうだね。・・・とりあえず、その姿を見せてくれないと対策も取れないんだけど・・・。」
とりあえずなんとか引きあげてみるか?・・・できるかな・・・。
「・・・まあ、僕を起点に出さなければ万が一も無いだろう。・・・『黒縄地獄』!!」
そうして召喚した黒縄は、角に巻きついてゆきました。
「・・・よい・・・しょ!!!」
僕は角の持ち主を釣り上げるように無理矢理海上に引き上げようとしました。
「・・・・抵抗が強い!!これは長期戦になりそうかも。」
それでも黒縄の数を増やし、無理矢理引き上げると、顔だけ引っ張り出すことに成功しました。
「・・・これは・・・鯨?」
「角がはえていますが鯨ですね。」
「でかいね・・・あまり長い間海上に出しておくことも出来なそうだしさっさとやりますか。」
「・・・でも、どうするつもりですか?」
「・・・うーん、焦熱地獄は効かなそうだよね・・・なら、黒縄地獄か、等活地獄か・・・
ただ、黒縄はこれ以上はほとんど出せないと思うんだよね。・・・出しても大して効果が無さそうだ。」
「そうなると、等活地獄ですね。」
「そうなるね。・・・試してみるか。」
果たしてどこまで効果があるか。・・・あるいは効果がないかもな。ここまで大きい相手だと。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品