死の支配者にレクイエムを

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第三百三十二話 物質主義

物質主義

「・・・さて、後は一度も見たことのない相手じゃな。『無感動』に関してはどのような能力なのかも予想がつかん。放置する。『無神論』に関しても同様じゃな。『残酷』は・・・当てはまりそうな事件がいくつかあって絞り込めんの。というわけで『色欲』と『物質主義』が残ったの。」
「『色欲』はなんとなくどんなものかわかるけど、『物質主義』ってそもそも何?」
「えっと、星奈お姉ちゃん。『物質主義』っていうのは、うーん、まあ、簡単に言えば、お金儲け第一みたいな考え方かな?精神的なものよりもお金という物質的なものを優先する感じ。」
「へえ。」
「なるほどのう。・・・となると・・・あの事件かの。」
「あの事件?」
「うむ。『物質主義』の事件はおそらく・・・カムラヌイ帝国の事件じゃな。・・・なんでも一夜にして滅んだその国には、建物も死体も一切合切残っておらず、消え去っていたらしいからの。お陰でどんな事件なのかの情報が全く入ってきておらん。」
「・・・一夜ですか?」
「ああ、そうじゃ。前日までは隣国から城がきちんと見えていたにもかかわらず、次の日には無くなっていたそうじゃ。」
「・・・つまり、それほど恐ろしい力ということですか。」
「うむ。」
・・・ここにきて正体不明の強力なものがきますか。

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