死の支配者にレクイエムを

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第三百三十話 貪欲惨事

貪欲惨事

「まずは、『愚鈍』に関してじゃが・・・すまんが、それに関する情報は残っていないの。・・・まあ、その能力の性質上生き残りなどいないであろうし、なによりも目立つ能力でもないからの。」
「まあ、確かにその通りですね。」
「では続いて『貪欲』じゃな。これは、何らかの事件を起こしているならば、ネルムント王国の惨事じゃと思う。」
「ネルムント王国ですか?」
「うむ。二年ほど前に滅ぼされた小さな国じゃよ。」
「そこでどんな事件が?」
「うむ。まずは、その事件の犯人。それは、ネルムント王国で、魔法研究をしていた一研究者ストルトン。彼は自国を守るための力として、とある魔法を開発する。・・・大変危険なものであり、わし以外はどのようなものかも知らない魔法じゃ。悪いがどのようなものかは言わないぞ。・・・話を戻す。彼が開発した魔法は王の目に留まり、王はその魔法の虜になり、そして、それを開発した彼を恐れた。・・・おそらくじゃが、他国のものに彼が伝えたらどうしよう。とでも考えたのじゃろうな。」
「それで、どうなりましたか。」
「王はその魔法の開発、完成に対する報酬で多額の報奨金とともに長期の休暇を与えた。彼は故郷の両親の元に戻り、孝行をしようと思ったのじゃろう。彼は故郷に戻った。・・・そこで事件は起こった。王はその開発された魔法を使い彼を故郷ごと闇に葬ろうと考えたのじゃ。そして、彼の故郷に魔法は放たれた。じゃが彼はそのとき村のものの薬の材料の薬草を取りに村から出ていたのじゃ。それに気がつかずに放たれた魔法は彼の故郷を襲い、そして、全てを消し去った。・・・村に戻ってきた彼の目にはどう映ったのかは知らん。じゃが、これにより、彼は王をそして、その村の悲劇を知らず安寧を享受するものその全てに復讐することを決意した。・・・そんな話じゃ。ま、心情に関するものはただの予想じゃがの。結果として、その国の民は皆干からびて死んでおったそうじゃ。」
そう言ってカーディー様は話を締めくくりました。

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