死の支配者にレクイエムを

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第三百十七話 鉄乃義腕

鉄乃義腕

「・・・ぐ・・・ぐが・・・ぐっ・・・。」
レンガンドは、体を刃が貫いているのを構わずにバックステップで、僕から距離を取ることにより体を貫いた刃の対処としました。
「・・・危なかったな。もう少し避けるのが遅かったら死んでたな。・・・だが、なぜ魔法を使える!?」
「クリフォトが使えるのだから使い方次第では魔法も使える。・・・ただ、それだけ。」
「・・・馬鹿な!?そんなことができるわけ・・・。」
「できたから、こうして魔法を使えているんだ。・・・『等活の鉄屑どもよ。我が腕と化せ!』」
僕の失われた左腕のあった部分に金属が集まり、腕を形づくりました。この腕は等活地獄によるものであるために、腕でありながら刃でもあるという矛盾したような存在である。
「・・・くそっ!」
そう毒づくレンガンドの傷はすでにふさがっています。・・・どうやら、治癒力も凄いようですね。
「続いて!『我が腕よ刃と化して荒れ狂え』!!」
僕の言葉に僕が作り出した刃の腕は、無数の刃となり、僕の腕から発生した竜巻のような風に回転しながら飛び交っていました。僕が相手に向けて左腕を向けるようなイメージを浮かべると、竜巻の刃はレンガンドの方へと向きました。レンガンドは後ろに下がることにより避けてしまいましたが、刃は地面を削り、その破片は、レンガンドが避けた方に飛んでゆきました。
「なっ!!」
もちろん。大したダメージにはなりませんが、目くらましにはなりました。その間に僕はレンガンドに近づきながら、荒れ狂う刃を腕に戻し、その腕で切りかかりました。レンガンドは避け切ることができずに、左腕を切断されました。
「・・・ちっ!!・・・仕方ない。今回は自分の負けってことにしておこう。・・・だが、次は自分が勝つ。」
「二度と来るな。」
「それは無理だな。・・・畜生が。」
レンガンドは切断された腕をそのままに逃げ出してしまいました。僕は追いかけようとして・・・そして、そのまま地面に倒れ込みました。

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