死の支配者にレクイエムを

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閑話・情人節

閑話・情人節

「はい、チョコよ。」
「・・・・・・ああ、もしかして、バレンタインですか?」
星奈さんに突然チョコを手渡された僕は少し考えてそう尋ねます。
「ええ。忘れてたの?」
「・・・そうですね。・・・そう言えば、お母さんが死んでから一回もそう言うことやってなかった気がします。」
「・・・。」
「あ、でも、とても嬉しいですよ。ありがとうございます。」
「いえいえ、どういたしまして。ちなみにバレンタインは、こっちの世界でも広まっているから、ミーナちゃんもちゃんも準備してくれていると思うわよ。」
「あ、そうなんですね。」
「ええ。かなり力を入れてたから、驚かないようにね。」
「・・・えっ?!なに?そんなにすごいもの作ってるんですか?」
「ええ。かなり大きめのケーキよ。・・・まあ、みんなで食べるって言ってたけれど・・・それでも数日はかかりそうよ?あれ。」
「・・・ちょっと、本気出しすぎだね。」
「本当にね。・・・あら?」
話をしていると部屋のドアがノックされた。
「ご主人様、セーナ様。ケーキが出来上がりました。」
「はい、今行くわ。」
「・・・うん、どんなものか楽しみだよ!」
「はい。これです!」
「・・・わぁ・・・。予想以上に大きいんだけど・・・。」
「ええ、そうね。」
「食べるの大変そうだけど、早く食べなきゃ悪くなるしね・・・頑張ろうか。」
そうして、食べたケーキはとても美味しかったのですが、それから数日間は同じものを食べ続けることになり、しばらくの間は甘いものを食べたくないって言う状態に悩まされました。・・・そして、後から気がついたことなのですが、匣の中にしまっておけばよかったんだよね・・・。忘れてた・・・。

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