死の支配者にレクイエムを

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第三百十五話 危急存亡

危急存亡

「・・・どうすれば・・・。」
「・・・どうにかするしかないだろうな・・・。・・・とはいえ、魔法を使わないで戦えたりするか?」
「・・・私は少しなら・・・。」
「僕はそもそも動くことができませんから。・・・えっと、糸魚川さん。」
「・・・そして、倉崎さんは純粋な魔法タイプだったな。・・・まずいな。・・・一応、俺は守りに限ればできるが・・・。」
「・・・僕も体が動けば・・・。」
「無理するなよ。・・・えっと・・・。」
「奏です。楽器を奏でるの奏です。」
「・・・!そうか。まあ、俺がどうにかしてやるから・・・行ってくる。・・・倉崎さんは下がっていろ!あとは俺がどうにかする。」
その後に呟いた、「俺の命に代えてもな」という言葉は誰にも届きませんでした。
「うおおおおおおっ!!」
「勇ましいな・・・だが、この程度では。」
レンガンドがそう言って10秒ほどして、糸魚川さんは体中から血を流し地面に倒れていました。なんのことはない、ただ、糸魚川さんが構えた盾に対してレンガンドは思い切り殴っただけである。
「糸魚川さん!!」
「・・・ぐっ、お前・・・は・・一体何を・・・」
「何もしていない。普通に殴っただけだ。」
「・・・っつ!!なんだと!!」
「当たり前だろう。自分の目の能力で魔法を使えなくなってしまうからな。ならば体を鍛えるしかあるまい。・・・さて、別にお前に関しては興味ないんだが、まあ、その蛮勇に免じて他の奴らを自分が殺すところを特等席で見る権利を与えよう。・・・まずはこの女からだな。」
そう言ってレンガンドが向かったのは全魔力を使い切って地面に倒れ込んでいる星奈さんのところでした。
「・・・っつ!や、やめろ!」
「・・・ふざけるな!動け!動けぇぇぇぇ!!!」
糸魚川さんと僕が悲痛の叫びを上げるなか、一人の人影が星奈さんと、レンガンドとの間に割り込みました。
「っつ!!ダメだ!ミーナ!!」
・・・頼む!僕の体。僕はどうなってもいいから動いてくれ!お願いだ!!

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