死の支配者にレクイエムを

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第二百九十六話 帰還方法

帰還方法

「ほほう、久しぶりじゃの。」
頭上から声が聞こえ、上を見上げると、家の窓から覗く女性がいました。
「・・・賢者・・・様?」
「・・・ふむ?その反応は・・・何かあったようじゃの。上がって来るがよい。」
家の中に招かれたので入りました。
「それで、お主は何があったのじゃ?わしを見たことがない、と言ったような顔をしておったが。」
「・・・記憶を失って・・・。」
「なるほどの。原因はわかるかの?」
「・・・不安定のクリフォトの暴走・・・らしいです。何か知ってませんか?」
「クリフォトとな・・・すまんのう。聞いた覚えがないのじゃ。」
「・・・つまり、奏くんの記憶を取り戻す方法もわからないと言うことですか?」
「そうじゃ。・・・お主は勇者か。」
「え、ええ。・・・あの、元の世界に帰る方法って知っていますか?」
「知っておるぞ。」
「・・・・・・知っているんですか?!」
「うむ。そちらに関してはいくつかの事例があるからの。・・・色々と必要なものもあるのでの。あとでそれをまとめたメモをやるのじゃ。」
「ありがとうございます。」
「うむ。・・・じゃが、奏と言ったか?其奴の件に関していえばわしにも何もできん。・・・すまんの。・・・クリフォトとやらについて調べては見るが・・・正直どうなるかわからんのでの。・・・ちなみに、其奴の目的の方はどうじゃ?」
「土と風は終わっています。」
「ほほう。思ったよりも早いの。頑張るが良い。では、一月後にまた来てくれんかの?それまでにクリフォトとやらについて調べてみるのでの。」
「わかりました。では。」
「うむ。」
星奈さんと賢者様が、話をそう締めくくり、僕たちは賢者様の家を後にしました。

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