死の支配者にレクイエムを

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第二百九十五話 悪意結界

悪意結界

再び視点は戻って。僕たちは、アウラに乗って空を飛んでいます。まあ、僕に関しては乗せられているといったほうが正しいのかもしれないけどね。体は動かないし。目的地は賢者カーディーのところです。僕の記憶をどうにかして戻せないかを聞きにいくそうです。・・・どんな人なんでしょうね。今の僕はあったことがないから少し緊張します。・・・まあ、みんなが言うには、前の僕がいい印象を持っていたらしいので、大丈夫だろうとは思うけどね。
途中で何度か着陸して、休憩をとりつつ、無事に森都ケタラというところへたどり着きました。・・・大きい木ですね。
「へえ。なんだか、神秘的なところね。・・・えっと、確か、あの木の下に行けばよかったのだったかしら?」
「・・・はい。」
「なら、早速行きましょう!」
そうして、木の下にたどり着きました。
「・・・おや?その少年は・・・。」
そこにいた警備の方から声がかけられました。
「・・・どうしたんですか?」
星奈さんがそう問うと、警備の人は
「その少年に見覚えがあってね。前も一度来たことがあったよな。」
「・・・ごめんなさい。記憶を失ってて。・・・でも、来たことはあるみたいですから、多分あったことがあるんでしょう。」
「・・・そうか。それはすまんかった。何があったかは知らんが、記憶が戻るといいな。」
そう言って、カーディーのところへ通してくれました。・・・結構簡単に通してくれるんだね。実際は色々と悪意を察知する魔法が敷かれているから大丈夫なのだが、奏は知らない。・・・以前の奏ならば知っていたが今の彼は憶えていない。
・・・どんな人なのかな。奏は期待と不安に胸を膨らませた。

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