死の支配者にレクイエムを

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第二百八十六話 自壊心中

自壊心中

迫り来る炎の壁に何もできない2人と一匹は、ただ、無力に炎の壁を睨みつけていましたが・・・
「・・・止まった?」
なぜか押し寄せてきていた炎の壁が止まっていることに気がつきました。炎の壁の向こうからなんだか苛立ったような声が聞こえてきます。
「テメェ!!なんで、テメェが表に出てこれる!!テメェの心はバラバラになったはずだろォがよォ!!!」
「無理やり鍵をかけてバラバラにならないように繋ぎ止めたからだよ。・・・まあ、無理やりすぎて出てこれるようになるまで時間がかかったけど弱ってくれたおかげでようやく抜け出せた。」
「だが、所詮こうやって魔法の邪魔をしたり口を出したりくらいしかできないだろォがよォ!!この程度で何をするつもりだ!」
「・・・みんな、さよなら。『歪み写す漆黒の眼アィーアツブス』」
ほとんどのことができない奏がしたこと、それは、その力を使い、自身とハセクの精神および身体を不安定化させることによりまるごと自壊させることだった。
「テメェ、ふざけるなァァァァァァァァァァァァ!!!!まだ何もできてねェのに消えるなんてごめんだァァァ!!止まれ、止まれェェェェェェ!!・・・・・アアアアアアアアアアア・・・・・・・。ふ・・・ざ・・・け・・・・・・・。」
「・・・みん・・・な・・・・・・だ・・い・・・・・す・・・・・・・・」
いつのまにか炎の壁は消えていました。ミーナ、星奈、アウラは奏の元へ集いました。そうして、みんながたどり着いたとき、奏は血だまりの中におり、左腕は跡形もなく崩れ去り、右腕もねじれて、体中は傷だらけ。クリフォトを所持していた左目に関しても失われていました。

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