死の支配者にレクイエムを

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第二百七十九話 貪欲乃目

貪欲乃目

「まあ、ざっとこんなものじゃな。」
アネモイ様がそう言うと同時に龍の体に刻まれた線に沿って体が滑り落ちました。・・・怒らせないようにしよう。うん。
「・・・なんというか、さすがですね。」
「うむ。妖精たちを解放してやりたいから手伝ってくれるかの?」
「もちろんです。」
僕がそう言って、妖精たちが捕まっている方を見たときのことです。突如横から強い力に押されました。それと同時になにかがぶつかるような音がしました。
「・・・え?・・・ミーナ?!ミーナ、しっかりしてくれ!!・・・なんで?!」
ミーナをよく見れば頭から血を流しており、側には血のついた岩が転がっていました。
「ちっ、はずシたカ。」
「・・・なんでお前が生きている?!」
「・・・馬鹿な。あやつの体の中には・・・。」
「・・・星奈さんは、ミーナの治療をお願いします。・・・アウラはその守りを。・・・アネモイ様。あいつはどうなっているんですか。」
「・・・龍の力が全てあの体の中に入ってしまっておる。」
「・・・なんで・・・待て・・・まさか。」
僕はそう言いながら相手の目を見て確信しました。
「やっぱり、クリフォトか。・・・おそらく貪欲のケムダーだな。」
「・・・グッ・・・。」
「アネモイ様?!どうしたんですか?!」
「力を奪われておる・・・力があまり残っておらんのに・・・これでは・・・。」
周りを見渡せばアウラも星奈さんも、それから、レイアも倒れています。
「もっトだ!もっトよこセェぇェぇ!!」
・・・やるしかない!ミーナが心配だしなるべく早く!!

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