死の支配者にレクイエムを

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第二百七十八話 本気精霊

本気精霊

アネモイ様は右手を振りました。それだけで龍は地面に縫い付けられたかのように動かなくなりました。・・・どうやら、上から空気で押さえつけてるみたいだね。・・・軽く腕を振るだけでそれができてしまうんだから恐ろしいね。うん。
「・・・むっ?」
・・・あれ?少しずつだけど・・・動いてる?・・・気のせいじゃないな・・・確かに動いてる・・・。
「グルゥアーー!!!」
「喧しいぞ!!!」
そう言ってアネモイ様は再び右手を振りました。ですが・・・龍は右前足を振り上げることにより自分を押さえつける空気塊を吹き飛ばしました。僕は慌てて黒縄を展開します。凄まじい強風に吹き飛ばされそうです。・・・もう少しで黒縄の壁が破壊されるところだった・・・。・・・しかしまさか、抜け出すとは・・・。
「ほほう、我の風から抜け出すとはなかなかやるではないか。・・・じゃが、これならばどうする!!!」
アネモイ様は風の刃を飛ばしました。・・・かまいたちだね。ですが、龍の鱗に触れた瞬間に刃は霧散しました。
「・・・なんて硬さじゃ・・・。・・・ならば・・・これでどうじゃ!!」
膨大な力を感じました。・・・どうやら本気で風の刃を放ったようです。それ自体は僕には全く理解できませんでしたが、感覚と吹き荒れる風とそして、龍に走った傷跡からようやく何があったかわかりました。
・・・本気出されたら何もわからないうちに殺されちゃうね。・・・うん、敵対はしないようにしたいね。

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