死の支配者にレクイエムを

looc

第二百二十七話 精霊好意

精霊好意

『・・・こ、これ、泣くな・・・泣くでない。』
僕が涙を流したのを見た大精霊さんは慌てたようにそう言いました。・・・その様子がなんだか可笑しくてくすっと笑ってしまいました。
「ありがとう、精霊さん。優しいんですね。」
『わ、我は別に優しくなどないぞ!』
「いいえ、優しいと思いますよ。少なくとも僕は・・・いえ、ここにいるみんなはわかっていますよ。」
『そ、そうか・・・なんだか嬉しいの。・・・ほれ、これじゃ。持ってゆくがよい。』
「ありがとうございます。・・・今度はお姉ちゃんと一緒にまた来ますね。」
『・・・そうか。・・・なんだ、その・・・目的が果たされることを祈っておいてやる。』
「ありがとうございます。」
『うむ、さて、ゆくがよい。まだすることがあるのじゃろ?』
「・・・そうですね。このままここにいつまでいても仕方ありませんし、・・・また来ますね。」
『うむ。・・・おや?』
僕が立ち去ろうとしたところ腕をくいっ、と引かれました。ちっちゃいけどこの子って多分・・・。
『なんじゃ、お主、其奴についていきたいのか?』
僕の腕を引っ張った羽根の生えた小人、多分精霊、はこくっ、と首を縦に振りました。か、かわいい。なんだかよくわからないけど好かれたみたいだね。なんでだろ。悪い気はしないけど。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品