死の支配者にレクイエムを

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第二百二十六話 精霊請願

精霊請願

「さてと、とりあえずあの祠にいるのかな?」
僕はそう言って祠に近づいてゆきます。
『人の子よ、何故にこの場所に来た。』
「・・・土の大精霊様でしょうか。」
『・・・そうだ。・・・もう一度聞くぞ、何故にここに来た?』
「『土の精霊石』を欲してです。」
『・・・ほう、何のためにだ?嘘をつこうなどとは思うなよ。』
「お姉ちゃんを助けたい。そのためには『土の精霊石』が必要なんだ。・・・だから、お願いします。対価が必要だというなら、僕に用意できるものならなんだって用意する。・・・だから、お願いします!!」
『・・・ふん、嘘はないか・・・。・・・姉を助けるとのことだが、我の精霊石をどう使うつもりだ?』
「お姉ちゃんの魂が縛られているのだけれど、その状態から解放する。そのために・・・。」
『・・・・・・』
「・・・・・・・・・」
『・・・よかろう。』
「・・・・・・えっ?」
『我の精霊石をやると言ったのだ。』
「・・・本当ですか!?」
『ああ、お前の言葉にはなんの嘘も含まれておらず、大切なもののためになんでもするという意志を確かに感じたのだ。我はそのような心が好きなのでな。』
・・・よかった・・・。僕は安堵から涙を流しました。

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