死の支配者にレクイエムを

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第二百十五話 白銀再誕

白銀再誕

ピキッピキッと、部屋に広がる骨にヒビが入ってゆきます。そして、その音はどんどん大きくなってゆき、ついには部屋を覆っていた骨の大半を砕きました。そして、そこには竜がいました。 
「・・・あぐっ・・・ああ、痛いなぁ。」
さらに、骨の残骸の山の中から血だらけの鬼も出てきました。
「・・・無事だったのか。よかった。」
「・・・まあ、ギリギリ間に合ったってところかな。鬼の回復力がなかったら死んでたね。」
「・・・すまんな。何もできなかった。」
「いや、正直回復に力を注いでて動けなかったから体を貫いてた骨を砕いてくれたのは素直に助かったよ。」
僕は体力が回復しきれていないのでとりあえずミーナを骨の残骸の山から掘り出すことにしました。まあ、まだ、黒縄地獄は残ってるから、それを持ち上げるだけだけどさ。
「ポールドさんはその姿のままの方がいいかな。壁や天井に攻撃してくれると助かります。多分それが敵だと思う。」
「なに?!」
「というわけでよろしく。さて・・・あった、黒縄地獄解除。」
「・・・ご主人様?ご主人様!!大丈夫ですか?!」
「・・・うん、大丈夫。もう傷はふさがっているからね。ただ、今回の敵は厄介だね。まさに敵の掌の上・・・いや、腹のなかって感じか。」
「・・・本当に大丈夫なんですか・・・。」
「うん。」
「・・・私なんかよりも自分のことを大事にしてください・・・。」
「・・・無理かな。」
「どうして!!」
僕はそれに答えなかった。単純にミーナを通して結奈や、お姉ちゃんを見ているからなのだが、それをいう必要も感じなかったので言わなかった。

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