死の支配者にレクイエムを

looc

第百九十話 竜生求子

竜生求子

「・・・なんか見られてますね。」
「まあ、人間が来ることは珍しいことだからな。」
「そうなんですか?」
「ああ。我らの卵を盗むような輩もいるからな。あまり人間を村に入れることはないんだ。」
「僕は良いんですか?」
「まあ、我らの同胞を保護してくれた恩人をもてなさないわけにもいかんからな。」
「別にそこまで気にすることじゃないと思いますけどね。」
「いや、実は竜の子供っていうのは大変貴重な存在でね。」
「そうなんですか?」
「ああ。寿命が長いこともあり、あんまり子供を産むということがなくてな。」
「ああ、なるほど。」
「それに、竜が住む場所は環境が厳しいところが多くてな。子供が耐えきれないってことも多いんだ。もちろん、子供を育てる間別の場所に移るものもいるが、慣れていない場所になるからな。鳥とかに卵をもってかれたりもしてしまってな。」
「へえ。」
「まあ、それでもこの村が出来てからは子供も増えてきてはいるがね。」
「なるほど。」
「ま、そういうわけで子供は宝だからな、そんな子供を守ってくれたものは恩人なんだ。歓待させてくれ。」
「わかりました。」
実は少し楽しみだったりする。

「死の支配者にレクイエムを」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く