死の支配者にレクイエムを

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第百七十三話 報恩謝徳

報恩謝徳

竜の谷に向かって飛んでいる途中、ふと地上を眺めていると、馬車がかなり早く走っていた。・・・何かから逃げているのか?そう思ったので、僕は馬車の後方に目を向けた。
「・・・オークの群れか!うん、見捨てるのもあれだし、やりますか。アウラ!」
アウラは僕のこの呼びかけにきっちりと反応し、特に指示はしていないが、下降しはじめた。うん、やっぱり頭いいねアウラは。
「さて、これくらいの高さなら、大丈夫だね。うーん、オークを相手にするなら、焦熱地獄かな。」
僕は焦熱地獄を使い、オークに火をぶつけていった。ブモーっと、いう怒りに満ちた鳴き声がするが、僕は気にせずにぶつけていった。一応、馬車とは違う方向から攻撃しているが、どうやら、こちらに敵意を向けてくれているようだ。よかった。焦熱地獄による、火の弾幕によって、オークの群れは壊滅した。
「こんな感じかな。」
・・・おっ?!馬車が戻ってきた。なんだろう。馬車からは小太りのおじさんが出てきた。
「君が助けてくれたんだね。ありがとう!オークに続いて、ドラゴンが出てきたときはもう終わったと思ったんだけど、よく見たら、上に人が乗っているし、オークに攻撃してくれていてとても安心したよ。本当にありがとう。」
「いえ、偶然通りかかって目にとまっただけですから。」
「たとえ偶然でも、助けられたのは事実なのだ。何かお礼をしたい。」
・・・うーん、断るのもあれかな。どうしようかな。

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