死の支配者にレクイエムを

looc

第百五十八話 自我崩壊

自我崩壊

リヴィア視点

「カ、カナデ?・・・ねえ!返事をしてよ!カナデ!!」
カナデは、私の呼びかけにもなんの反応も示すことなくただ虚空を眺めるばかりです。
「くっ!なんということだ・・・。・・・撤退します。その少年は僕が背負って連れていきましょう。」
「・・・いえ、私が連れていきます。」
「・・・わかりました。無理はしないでくださいね。」
「・・はい・・・。」
そうして、私たちは暗い雰囲気のまま首都へと帰った。

私たちはその後、冒険者たちの護衛のもと、テナーグの街の自宅に戻った。自宅に戻った私たちはカナデの自我を取り戻すために色々としてみたが、どれも効果はなく、2年の月日が経過した。

「・・・カナデ、ユナも私もアウラも待っていますわよ。・・・はやく起きてよ。」
「リヴィア姉、やっぱりダメ?」
「・・・ええ・・・。ユナもアウラもかなり成長していますから起きたときはびっくりするかもしれないわね。・・・はやく起きなさい・・・。」
彼は今日も虚空を眺め続ける。

「死の支配者にレクイエムを」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く