死の支配者にレクイエムを

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第百五十一話 油断大敵

油断大敵

「もう一発行くぞ!!」
「「「はい!!!」」」
「「「「おう!!」」」」
魔法使いのみなさんが、一斉に一箇所に集中して魔法を放ちました。龍に次々と被弾してゆきます。最初の頃は怒ったような大きな声で叫んでいましたが、徐々にその鳴き声は小さくなってゆきました。
「終わった・・・か?」
ピクリとも動かない龍の姿を見て僕はそう呟きました。しばらく警戒をつっけていましたが、全く動きません。
「・・・ふう、どうにかおわったみた・・・」
僕の言葉は胸元に感じた衝撃によって遮られました。視界の端には胸を貫通する刃が見えました。どうやら、背中側から剣を突きさされたようです。勢いよくその剣は、引き抜かれました。えっ・・・と疑問を口にしようとしましたが、実際にはかすれそうな声で
「かふっ・・・」
と言う音が漏れただけでした。僕は剣を引き抜かれた結果体勢を崩し後ろに倒れ込みました。しかし、後ろにいるはずの犯人の姿はどこにも見えませんでした。地面に仰向けに倒れた僕は、何がおこったのか考えようとしましたが、頭に靄がかかったようで、うまく働きません。1秒ごとに命が抜け落ちてゆきます。そして、思考は雑多に変異してゆき、意識もまた抜け落ちました。それに呼応して、鬼が目覚めました。

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