死の支配者にレクイエムを

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第百四十三話 一縷千鈞

一縷千鈞

「・・・どうすればいいのかなあ。」
「カナデ、どうするつもりなの?」
「足止めと、地割れに巻き込まれた人の救援かな。」
「・・・わかったわ。行きましょう。」
「ありがと。」
「ユナたちも行くわよね。」
「うん。」
「かうっ!」
「よし、行きましょうか。」
「・・・あの、私もついて行っていいですか?」
「セラさん?」
「はい、あの力になりたくて・・・」
「・・・少し聞いてみますね。」
僕はそう言ってセラさんを連れて行ってもいいかをバリウスさんに尋ねてみた。バリウスさんは少し考えたが許可してくれた。まあ、少しでも戦力を集めたいだろうから、救助に向かうのは賛成だろうし、そこに優秀な魔法使いが入っていたほうが成功しやすそうだからね。かくして、僕たちは龍の方へと向かっていった。
「・・・近づけば近づくだけ威圧感が高まっていくね。」
「・・・そうだね。無理はしないこと。」
「うん、わかってる。どうしょうもなかったら、逃げよう。」
「・・そうね。ただ、それでも、最後まで戦うつもりなんでしょ?」
「うん。仲良い人も結構いるからね。」
「なら、せめて、弱点でも見つかるといいんだけどね。」
「うん。がんばろ。」
僕たちはそう話をしながら、地割れに落ちた人を探していた。

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