死の支配者にレクイエムを

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第百八話 一路平安

一路平安

ギルドで報酬を受け取ってから僕たちは、食料や旅に必要なものを揃えていった。さらに、お姉ちゃんの友達に家の管理を任せたりと様々なことをしていった。それと並行してお世話になった方々に挨拶に行ったりとしていたら、10日なんてあっという間に過ぎていった。
そして、出発のとき。僕たちはこの国リブリア首都行きの馬車に乗り込みました。そのときに背中側から何か聞こえました。振り向くと、そこには、僕たちがお世話になってきた人たちが門の前に集まってきていました。不意に目頭が熱くなり、それを誤魔化すように手を振りました。
「ねえ、カナデ?」
「な、なに?」
「たくさんのお土産話を持って帰ってきましょう?」
「・・うん・・。」
「大丈夫よ。私もユナもいるわ。」
「そうだね。」
「せっかくの旅なんだし、楽しみましょう?」
「うん。」
お姉ちゃんが僕の右手を、結奈が僕の左手を握り、アウラは、僕の涙を舐めとりました。僕は幸せ者だなあ。
いつの間に、この街は僕にとって大事な場所になっていたのでしょうか?
最後にもう一度振り返り、大きく手を振って前を向いて、あとはこの先の道を見ていました。

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