死の支配者にレクイエムを

looc

第八十八話 比翼連理

比翼連理

瓦礫の山に意識を割きつつも結奈に質問しました。
「結奈って今どんな感じの存在なの?」
「えっ?わかんない。」
「幽霊とはちょっと違うよね。」
「そう、なのかな?」
「さあ?幽霊の知り合いとかいないの?」
「いないよっ!そういう奏は?」
「僕もいないよ、お姉ちゃんは?」
「いないわよ。って、わかってて言っているでしょ。」
お姉ちゃんは、そう言って笑った。僕たちも一緒に笑い合った。そして、ようやく、笑いがおさまってきたお姉ちゃんは、
「ユナ、カナデのことはどう思っているの?」
「ちょっ、お、お姉ちゃん!何聞いているのさ!」
「大切な人だよ!」
「恋愛的なもの?」
「うーん、まだ、わからない。けど、多分?」
僕は結奈のその言葉を聞いて頭が沸騰したような気がしました。
「ねえ、ねえ、なら、カナデは・・うん、なんとなくわかったわ。」
「そ、そういえば、僕の左目って今どうなってるの?」
僕は話をそらすようにそう言いました。
「露骨ね。黒いままよ。」
「その目は、鬼とはまた別のものみたいなので、その髪の毛もそうだけど、元々の状態には戻せなかったの。」
「まあ、可愛らしくて良いと思うわよ。」
「そうですね。左目は隠しておいた方が良さそうですけどね。」
「だねっ。」
すっかり盛り上がってしまった二人であった。これ以上の被害が及ばないと良いんだけどなあ。なんか怖い。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品