死の支配者にレクイエムを

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第七十四話 自己操縦

自己操縦

少年の体に集まってきた黒い魔力は彼の体にあいた穴から体内に侵入した。そして彼はゆらりと起き上がると、理性無き目で、今まで少年が戦っていた相手を睨みつけた。
「ぐっ、っつ。」
睨みつけた瞬間に右目に理性の光が宿りました。
「お前は、力だけよこせ。鬼!!」
彼はしっかりと意識を保つことで、鬼に体を乗っ取られないようにした。
「あっ、ぐっ!」
左目に激痛が走り、左目から見える風景がぐちゃぐちゃになった。完全に体を取り戻すまではいかなかったのだ。
「くっ、だが、これくらいなら。・・・『我が体に纏え黒縄地獄』」
僕がそう言うと体に黒い縄がまとわりついた。そして、その縄を直接操ることにより、今まで以上の動きができるようになった。もちろん無理やり動かしているわけであるから、普段の僕には自分の体にも影響のある諸刃の剣ではある。本体を直接燃やすためには、近づく必要があるだろうからしかたないよね。今までの戦いと制御権を失った左目を考慮に入れるとそれくらいしか効きそうな攻撃がないのだ。自分で自分の体を操るマリオネット・・・か。まあ、とはいえ、縄がなくても鬼の身体能力であれば問題ないだろうけど、むしろ高すぎるのが問題だからね。まだ、持て余してしまう。今度少しずつ力を引き出せるように練習していこう。

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