死の支配者にレクイエムを

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第五十六話 陰森凄幽

陰森凄幽

いつまでも、ここにいるわけにもいかないので、お姉ちゃんは、僕を抱え・・・お姫様抱っこですね、恥ずかしい。まあ、そんな僕の心に関係なく、お姉ちゃんは、僕を抱えて、先に進みました。すると、そこは、床に魔法陣が書いてあるだけの部屋でした。一応お姉ちゃんも辺りを探索してみましたが、特に何も見つかることは、ありませんでした。
「この、魔法陣以外怪しいものはないけど、どうする?」
「お姉ちゃんにまかせるよ。」
「わかったわ、起動させてみましょう。」
そう言ったお姉ちゃんは、魔法陣に魔力を流し始めます。すると、魔法陣からは、光が溢れ出し、そして僕たちを包み込みました。そのとき一瞬、揺れのようなものを感じて、光がおさまってくると、そこには、大きな扉がありました。お姉ちゃんが扉を開こうとして、扉に触れたところ、すっと、扉が開き、そして、うっすらと細い光が差し込んで来ました。
「やっ・・たね。」
「ええ、・・・ところでここはどこかしら。」
本当にここはどこなのでしょうか。わかるのは、ここが深い森の中だということだけです。
「とりあえず、動きましょうか。」
いつまでもここにいられるわけでは無いので、適当な方向に行ってみることにしたようです。森の中だと、方向とかがわかりづらくて、地図を作るの大変なんだよなあ。まあ、木の位置を覚えることで、角度を調整しながら、頭の中で地図を作っています。とりあえず、果物とかなってないかな?食料が不足しているからね。

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