死の支配者にレクイエムを

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第三十九話 片言折獄

片言折獄

「ううっ」
僕は、痛みを覚え、目が覚めました。あ、あれ?ここ、は?
「カナデ!目を覚ましたのね。」
「お・・姉・・・ちゃん?」
「何があったか覚えてる?」
「え・・・と・・・・・うん・・・覚えてるよ。僕は倒れたんだよね。」
「ええ、足の痛みでしょう?」
「う、うん。」
「全く、無理をして、心配かけさせないで。」
お姉ちゃんは、涙目になってそう言いました。
「ごめんね、お姉ちゃん。」
「うん、カナデは私がおぶっていくから、ね。」
「えっ?いやでも、戦闘は?」
「魔法でどうにかするわ。」
「・・・うん、わかった。」
「よし、じゃあ、この階層の探索を終わらせようか。ほら、掴まって。」
「う、うん。」
僕はお姉ちゃんの背中にしがみつきました。
そのまま、お姉ちゃんは探索を続け、僕はせめてもと、頭の中の地図をしっかりと完成させていきました。その結果ここの階層には下に行く道以外は存在しないことがわかりました。というわけで、下の階におりました。そうして、僕たちはそこで休むことになりました。
僕は眠る前に、
「ありがとう。お姉ちゃん」
とだけ言って目を瞑りました。

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