死の支配者にレクイエムを

looc

第三十八話 絶痛絶苦

絶痛絶苦

僕の頭の中のマップが6割ほど埋まった頃、下へと降りる階段を見つけた。
「行っていない場所が4割くらいあると思うから、そこから外に出れるかもしれないけどどうするの?」
「うーん、この場所覚えておいて。そして、この階層の探索を続けましょう。」
「うん・・・わかっ・・た。」
僕は、返事をしている途中、意識が一瞬飛んだのを感じた。
「どうしたの!カナデ。」
そう言われて、何か言おうとしたが、呂律が回らず、そのまま、意識を失い、地面に向けて倒れてゆきました。

リヴィア視点

この迷宮に入ってからは、カナデの記憶力にかなり助けられています。一度行った道には、決して行くことはなく・・・多分そうよね。無事に下へと続く階段を見つけました。そして、この階層の探索を続けることを決めたとき、カナデの声が途切れ途切れになって、
「どうしたの!カナデ。」
わたしは振り向いてそう言いましたが、声にならないような音しか返ってこなくて、見えたのは、崩れ落ちるカナデでした。私は慌ててカナデを支えました。そうしてゆっくりと、カナデを地面に寝かせました。カナデからは苦悶の声が聞こえてきます。カナデが怪我をしていたことを思い出し、そちらの方へ手を近づけると、触れてもいないのにすごい熱を感じました。どうにかしたいですが、ここは、迷宮の中。できることが限られてきます。私は、土魔法で器を作り、水魔法を使って冷たい水を作り出しそれを器に入れて、そこにカナデの足を入れました。少しでも楽になれば良いんだけど。まったく、無理して。

コメント

コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品