死の支配者にレクイエムを

looc

第九話 自己紹介

自己紹介

食事を終えた後、彼女は何か言いたそうに、そして、言い辛そうにしていた。
「どうしたの?」
「あっ、え、えっと、聞いていいのかわからないんだけど、あっ、言いたくなかったら、言わなくていいからね、・・・えーっと、その、・・・あっそうだ、まだ自己紹介して無かったね、私は、リヴィア、リヴィア・サミーレ、冒険者をやっているの」
「僕は、奏、時田奏いや、カナデ トキタ。かな?えっと、リヴィアさん?多分聞きたいのって昨日僕がいきなり怒鳴ったり、泣いたりした理由についてだよね。」
「ええ、そうよ、あと、リヴィアでいいわよ。聞かせてもらっても良い?」
「うん。いや、聞いてくれるかな?」
「勿論!」
「わかった、じゃあ話すね。えっと、まず、前提として多分僕は、別の世界の人なんだと思う。」
「うん、続けて。」
「わかった、その世界は魔法とかが無かったんだけど、僕はどこかおかしかったんだ。僕の周りの人はみんな死んじゃうんだ。事故だったり、事件だったり。お父さんも、お母さんも、友達も、そして、結奈も、みんな死んじゃって、そして僕だけが生き残ったんだ。」
こうして話しているうちに、また、涙が、あとからあとから流れてきてリヴィアが、抱きしめて頭をなでてくれました。
「うん、うん、辛かったんだね。大丈夫だよ、私はいなくなったりしないから。」
「ほ、本当?」
「うん、勿論!」
そう言って、リヴィアは僕をギュッと抱きしめてくれました。
「・・・うん、話を戻すね。まあ、そのあと、僕も死んじゃって、気がついたら、草原に寝ていたんだよ。しかも、こんな風に若返った状態で。」
「そうなの?元々は何歳なの?」
「12歳だったよ。」
「そうなんだ、よく頑張ったね、偉い偉い。」
そう言いながらリヴィアに、体をあずけた僕の頭をナデナデしてくれました。

「死の支配者にレクイエムを」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く