地獄屋物語
第26話 尚人side 前編
尚人side
…やっぱり
感じる
…誰かにつけられてる
学校内ではまあ見て見ぬ振りをしていた
よくあることだったし…
でも
ここは帰り道だ…
ここまでつけられるのは初めてだ
…
怖っ
俺は歩くスピードを速める
と、やっぱり後ろの足音と気配も早くなる
振り向いてみても誰もいない…
夜のこの道は暗くてよく確認できない
この前山野が言っていた言葉が頭をよぎる
『変なところ連れて行かれるかもよ?』
変なとこってなんなんだよ…
すると後ろの気配がなくなった
「え?」
思わず振り向く
誰もいねぇ
なんなんだ?
「ねえねえ」
!!!
前から声がした
ゆっくりとそちらを見る
やっぱり…この前告白して来た女だ
「君…か。俺を付け回してたのは」
「やめてよそんな言い方。いいでしょ別に両想いなんだし」
は?
両想い?
「両想いってなんだよ」
「尚人くんは私を好きで、私も尚人くんが好き。」
は、
ふざけんなよ
どう考えたらそうなるんだよ
「俺はお前なんて好きじゃねぇけど」
瞬間女の顔色が変わった
「な、何言ってんの?そんなのありえないわ!あなたは私が好きなのよ!そうでしょ?ねえ!」
え、え?
「あなたは私が好きなのよ!でも山野ミナキがあなたを束縛してるせいで素直になれないんでしょ?本当は私を好きだけど、山野ミナキに脅されてるんでしょ!」
おい、なんで山野が出てくるんだよ
山野は関係ないだろ!
束縛なんてされてねぇよ!
むしろ全く俺に興味なくて俺がしがみついてるようなもんなんだよ
「山野はそんなことしてねぇよ」
「脅されてるんでしょ?かわいそうに。素直になれないんでしょ?だから…だから私は地獄屋にお願いしたのよ!山野ミナキは地獄を見るべきよ!だからっ」
なんだよ…地獄屋ってなんだよ
地獄って…山野が…?
「ふざけんなよ!山野を巻き込むな!あいつはなんも関係ないだろ!」
「地獄屋にボロボロにされるべきよ!地獄に、地獄に!」
なんなんだこいつ
頭おかしいだろ
どうなってんだよ!
「おいおい…やかましいなぁ」
え?
どこからか不思議な声が聞こえた
女にも聞こえたらしくキョロキョロしている
「ねぇ君それはまずいんじゃないかな?」
カツ
ブーツの音が夜の街に響く
「どーも」
気がつくと俺と女の間に1人、黒いフードを被った人物が立っていた
顔は見えない
「あんたは…」
「どうも地獄屋のものです」
地獄屋?
フードはダンスを踊る前のように胸に片手を当ててお辞儀する
「お客様、地獄屋の事は他言無用のはずですよね?」
「う、」
「まあ、榊葉尚人を地獄屋に連れて来いと言ったのは私ですが、このような街中で地獄屋の名を大声で叫ばれるのはどうかと」
フードは冷静淡々と話を進める
どういうことだよ
全く理解できねぇ
「今後このようなことが再びあるようでしたら…」
そこで言葉を止める
フードの顔が上がり目だけが少し見えた
「こちらも黙っていませんよ…?」
!!
背筋が凍る
冷たい突き刺さるような目が場の空気を変えた
女も固まっている
気のせいだろうか
さっきからこのフードの声にどこか聞き覚えのあるような気がする
それになんか…オーラってのか?
このフードを知っている…そんな気がする
するとフードか俺をみた
「私、地獄屋というものです。本日はあなた方お二人をお迎えにあがりました。」
そう言って不敵に笑う
やっぱり…俺、こいつ知ってる
…やっぱり
感じる
…誰かにつけられてる
学校内ではまあ見て見ぬ振りをしていた
よくあることだったし…
でも
ここは帰り道だ…
ここまでつけられるのは初めてだ
…
怖っ
俺は歩くスピードを速める
と、やっぱり後ろの足音と気配も早くなる
振り向いてみても誰もいない…
夜のこの道は暗くてよく確認できない
この前山野が言っていた言葉が頭をよぎる
『変なところ連れて行かれるかもよ?』
変なとこってなんなんだよ…
すると後ろの気配がなくなった
「え?」
思わず振り向く
誰もいねぇ
なんなんだ?
「ねえねえ」
!!!
前から声がした
ゆっくりとそちらを見る
やっぱり…この前告白して来た女だ
「君…か。俺を付け回してたのは」
「やめてよそんな言い方。いいでしょ別に両想いなんだし」
は?
両想い?
「両想いってなんだよ」
「尚人くんは私を好きで、私も尚人くんが好き。」
は、
ふざけんなよ
どう考えたらそうなるんだよ
「俺はお前なんて好きじゃねぇけど」
瞬間女の顔色が変わった
「な、何言ってんの?そんなのありえないわ!あなたは私が好きなのよ!そうでしょ?ねえ!」
え、え?
「あなたは私が好きなのよ!でも山野ミナキがあなたを束縛してるせいで素直になれないんでしょ?本当は私を好きだけど、山野ミナキに脅されてるんでしょ!」
おい、なんで山野が出てくるんだよ
山野は関係ないだろ!
束縛なんてされてねぇよ!
むしろ全く俺に興味なくて俺がしがみついてるようなもんなんだよ
「山野はそんなことしてねぇよ」
「脅されてるんでしょ?かわいそうに。素直になれないんでしょ?だから…だから私は地獄屋にお願いしたのよ!山野ミナキは地獄を見るべきよ!だからっ」
なんだよ…地獄屋ってなんだよ
地獄って…山野が…?
「ふざけんなよ!山野を巻き込むな!あいつはなんも関係ないだろ!」
「地獄屋にボロボロにされるべきよ!地獄に、地獄に!」
なんなんだこいつ
頭おかしいだろ
どうなってんだよ!
「おいおい…やかましいなぁ」
え?
どこからか不思議な声が聞こえた
女にも聞こえたらしくキョロキョロしている
「ねぇ君それはまずいんじゃないかな?」
カツ
ブーツの音が夜の街に響く
「どーも」
気がつくと俺と女の間に1人、黒いフードを被った人物が立っていた
顔は見えない
「あんたは…」
「どうも地獄屋のものです」
地獄屋?
フードはダンスを踊る前のように胸に片手を当ててお辞儀する
「お客様、地獄屋の事は他言無用のはずですよね?」
「う、」
「まあ、榊葉尚人を地獄屋に連れて来いと言ったのは私ですが、このような街中で地獄屋の名を大声で叫ばれるのはどうかと」
フードは冷静淡々と話を進める
どういうことだよ
全く理解できねぇ
「今後このようなことが再びあるようでしたら…」
そこで言葉を止める
フードの顔が上がり目だけが少し見えた
「こちらも黙っていませんよ…?」
!!
背筋が凍る
冷たい突き刺さるような目が場の空気を変えた
女も固まっている
気のせいだろうか
さっきからこのフードの声にどこか聞き覚えのあるような気がする
それになんか…オーラってのか?
このフードを知っている…そんな気がする
するとフードか俺をみた
「私、地獄屋というものです。本日はあなた方お二人をお迎えにあがりました。」
そう言って不敵に笑う
やっぱり…俺、こいつ知ってる
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