異能者学校へようこそ!〜最強異能者の少年〜

赤い羊

異能者学校の日常


結構な説明会になっています。
ご注意ください。



朝の8時。

一通り家事と、学校へ行く準備をすませた雫は、部屋に戻って、首からかけられている鍵を取り出した。

そして静かに目を閉じ、まるでドアを開けるかのように、鍵をゆっくりと回した。

カチリ、と音がする。

それを確認して、鍵を持った手を前に押し出し、目を閉じたまま前へと進んだ。

そしてゆっくりと目を開ける。
すると、そこには少し騒がしい、いつもの下駄箱が広がっていた。



僕が通っている、伊野海いのうしゃ学校は、名前からわかる通り、異能者のみを集めた学校だ。

創立から約100年くらいたっているにもかかわらず、新築のように綺麗なのは、創立者が学校の老化時間を止めているからだと言われている。

ーーー異能って使っている人が生きていないと使えないんだけどな………
創立者、何才なんだろう?

ちなみにこの学校は、生徒専用の鍵アーティファクトがないと入ることができない。

あと、住所がない。というか、まず地球にない。
めちゃくちゃに聞こえるかもしれないが、なんでもここの創立者がすごい異能空間異能の持ち主で、自分で作った空間にこの学校を創立させたそうだ。


………何で学校名が当て字なのかとか、創立者どんだけ異能持ってんだよとか、そういうのは気にしたら負けなやつです。

というか、まず創立者がここに来たら誰も勝てないんじゃないかなぁ……

まぁいいけど。

この学校に通っているのは、全国から集められた異能を持っている生徒。全部で287名いる。

クラスは1学年4クラスあって、ABCDと成績順に分けられている。ちなみにこの成績は、勉強+異能でつけられ、DとCクラスは30名、Bクラスは20名、Aクラスは15名と、なっている。

僕は一番下のDクラスだ。
僕は決して頭が悪いわけではない。ただ、異能の能力がちょっとしょぼいだけで…………

自分の言葉に少し傷ついていると、どこからか声が聞こえた。

「………おーい、雫?聞いてるか?」

はっとして顔を上げると、そこには予想通り、クラスメイトでよくつるんでいる、佐藤 守(さとう まもる)が心配そうに顔を覗きこんでいた。

「…あ、ああ。おはよう守。」
「………あ、ああ……」

(?なんか守の顔が地味に赤いような…?)

首をかしげるとグキッと首が悲鳴を上げた。
(痛たた……守、かがんでくれないかな……)
守は180センチで僕は150センチなので、必然的に上を見上げなきゃ守が見れない。

そこでハッと気づく。

「……ねぇ守?僕は女の子じゃないって何回言えばわかるのかなぁ?」

ものすごい笑顔で言うと、守はビクッとしていた。
それを黒い笑顔で、ニコニコとしながら見ていると、さらに守の顔が赤くなっていく。

「………おい、あんまり守をいじめるなよ…」

そう聞こえたかと思うと、頭に誰かの手が乗ってきた。

「……ちょっと!重いからやめてよ、司!」

上を見ると、ものすごく端正な顔が呆れに染まっていた。そのまま容赦なく体重をかけてくる。
それにあぁーと悲鳴を上げていると、何故か周りから黄色い悲鳴が上がった。

ちょっと、女子の皆さんやめて!そんなんじゃないからぁ!
心の中で叫ぶが、僕の心の悲鳴は当然、届くはずもなく………

いろんな意味で、心にも身体にも傷をおった僕は、司の腕を避けてキッと睨む。

「……別にいじめてないし!守が僕のこと女扱いするんだもん ︎」

そう言いながら頬を膨らませる。

すると突然、司が守を見て、顎で僕をさす。それに対して、まだ少し赤い顔で守が頷く。

「……はぁ…それはお前が悪いわ。」

「……はぁ!?なんで僕のせいになるわけ!?」

そのまま、ぎゃあぎゃあと騒いでいると、いつの間にか教室についていた。


…………その光景が、全校で有名になっていることを、この時の僕はまだ知らない。



それからほどなくして、先生が入ってきて、ホームルームが始まった。

その後も滞りなく、いつも通りに授業が進んだ。

ちなみに、午前中が普通の授業で、午後が異能の授業となっている。
部活は行われていないが、放課後の6時までは、学校にいても良いとされている。そのため大体の生徒が勉強をしたり、ダラダラと話をしたり、中には部活紛いなことをする人もいる。すべて黙認されているので問題ないが。

放課後のチャイムがなり、皆がぞろぞろと動き出すと、僕は友人に軽く別れを告げ、鍵を使ってすぐに帰った。


暗い部屋につくと、笑顔をスッと消す。
そして黒い衣装に着替えると、衣装の中に武器を仕込んでいく。
軽く調子を整えて、師匠から貰った指輪型アーティファクト使い、依頼現場へと向かった。



(今回の依頼は、大手社長の暗殺か。こりゃあ、明日ニュースになるかもな……)
少々億劫になりながらも、ゆっくりと歩き出す。

会社の社長室に窓から音もなく侵入する。
すると、一斉にこちらに銃口が向けられた。

(……やっぱりか………)

雫は内心、悪態づく。

(情報がどっかから流れてたな、これは。はぁ、めんどくせぇ…)

雫はだらんと手を下げた。
それをなんと思ったのか、リーダーらしき男がニヤリと口を歪める。

「はっ、噂ほどにもないな!死神よ。」

「………………。」

雫は何も答えない。

そんな雫に苛立ったのか、声を低くして、仲間に撃てと、命じた。
その瞬間、銃弾が花火の如く降り注ぎ、雫の体はたちまち赤色に染まった。
リーダー格の男が雫の死を確認しようと、近寄った時、彼は異変にきずく。

「……とけ、てく?」

そう、雫の身体はドロドロと溶けだしていた。

慌てて護衛の対象社長の部屋のドアを開けると、様々なトラップと、腕利きの護衛や暗殺者がいたにも掛からず、そこは文字通り血の海になっていた。

全員が唖然とした表情のまま死んでいた。
暗殺者達の首は全員取られていたが。

その中で社長席に座っている者がいた。

(……対象を守れたのか!?)

やはり最後の結界は破れなかったのだと、嬉々とした気持ちで近寄ると、そこにはーーー首から上がなくなった、護衛対象の姿があった。

リーダーの男は声にならない悲鳴を上げる。
そして、縋るように仲間達の所へと戻った。

そして、そこにはやはり、さっきまで生きていたはずの仲間達が有無言わぬ屍となって、血の海に倒れていた。

(………何故だ…音など一切しなかったぞ!?)

この時点で男は、もう既に、恐怖で感覚が麻痺していたのかもしれない。
だからこそ、きずくことが出来なかった。次は誰の番・・・・・なのかと言うことに。背後から忍び寄る影に。

シュッという風切りの音と共に、鮮やかな鮮血が舞う。
何故、と問う間もなく、男は首から切り落とされた。

意識を強制的に奪われた男が、最後に見たのは、月に輝く赤色の瞳だった。



依頼を終えた雫は、予想外の報酬暗殺者達の首を手に入れたために、受け取ったのは約束していた依頼料の、倍の金額だった。
ちなみにリーダー格の男は、割とほかの暗殺者とかにとっても厄介な存在だったようで、まぁまぁ高い金が貰えた。

また、死神というのは、裏世界での、雫のコードネームのようなものだ。
相手にすらきずかせない速さと、その冷徹さ、そしてターゲットを確実に殺すことから、裏の世界最強→死神と、なったらしい。
本人は少々不本意だったが。

今回の仕事でお財布が潤った雫は、お金を全て口座に振り込んだ。
(……ちっ、面倒だが、こうしないとあいつにバレるしな…。)
また、師匠に協力してもらおうと、内心で思考しながら、雫は家路を急いだ。


家に着くと、時計は午後の7時を指していた。
そこまで時間はかかっていないので、まぁ大丈夫だろう。

武器を取り出し、手入れを済ませると、一気に黒い衣装を脱ぐ。返り血は浴びていないので、さほど汚れてはいないが……

それらを洗濯機に投げ入れて、自身も風呂に入る。
………この仕事を始めてから、自分が見えない何かで汚れていく気がしてならない。

あの絶望の目が、縋るような目が、執着の目が、いつもを見ているような気がしてならない。

そんな思考を振り払うように、雫は頭から思いっきりシャワーを浴びた。



BLにはなりません。
紛らわしいかも知れませんが、天然人たらしを書いてきたかったので、こんな感じになりました…

苦手な方すみません!

「異能者学校へようこそ!〜最強異能者の少年〜」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「学園」の人気作品

コメント

  • 赤い羊

    雫 「そう言われちゃ、仕方ないね。一肌脱いじゃおうかな〜 (舌舐めずり)」

    守 「ちょっと、雫…目が怖いよ?(怯え)」

    雫 「大丈夫だよ守。優しくしてあげるからね?(*⌒▽⌒*)」

    守 「ちょっ、どこ触って……おい、マジでやめろ!……ぎ、ぎゃあァァァ!!」


    作者 「君たち、キャラ崩壊が酷いから!やめろォォォォオ( ゚Д゚)(棒)」

    1
  • ぷのーる

    BLになりそう…(無視)

    3
  • 赤い羊

    コメント、ありがとうございます。しっかりとした感想をいただけて、嬉しいです!
    ふりがなの事に関しては、見返してみると確かに量が多く、あまりふりがなの意味を成していない所が多々ありました……申し訳ございません。
    また、意識(命)の所に関しては、「死神という命を刈り取る存在」を表現したかった為に、こうなりました。
    作者の力不足で、分かりずらい表現があると思いますが、これからも応援していただければ幸いです。

    1
  • -弧+妻

    面白いです。
    描写もしっかりとかけていて、小説の形になっています。
    ただ、途中出てくるふりがな(?)はあそこまでいらないと思います。
    意識を命と振るのは、なかなか面白いかなと思いますがほかのものに多用されていることや命がかかった戦闘であり、命をかけない決闘ではないためあの場で命を意識とするのは良くないかと個人的に思います。
    内容は良く、続きが出れば読ましていただく予定です。
    最後に2つほど、応援していますということと偉そうにすみませんm(_ _)mということを……では続きが出た時にまた

    1
コメントを書く