異能者学校へようこそ!〜最強異能者の少年〜

赤い羊

嫌われ者の少年は

※今回は凄く短いです。
そしてシリアスが入っています。



その日は雨が降りしきり、辺りを夜が包んでいた。
そんな静まり返った夜に似合わず、少年は不規則に息を吐きながら、必死に走っていた。

「……はぁ、はぁ、はっ……っ!?」

ズシャッっと、大きな音を立てて、少年は勢い良く転んでしまった。

足から鮮血が流れる。少年は表情を歪めながらも、また走り出した。
少年は足だけではなく、身体全体が赤黒く染まっていた。手には握った覚えのないナイフを握りながら、少年は必死に走っていた。

「……!……あそこ…ならっ…」


………少年が通り過ぎたあと、大柄の男が血走った目で少年を追いかけてくる。その身体はやはり血に染まっていた。

特に肩は鋭利に削られており、まるでナイフ・・・で傷つけられたような傷ができていた。

「………ゆうきぃ……どこだァ…!」

血だらけで少年の名を呼ぶ姿は、狂気に感じられた。
男の手にあるチェーンソウが、月明かりによって妖しく輝いた。

もしこの光景を見ている者がいたのなら、少年が捕まったら、最悪な未来しか残されていないということが、安易に予想出来たことだろう。

「……ゆうきぃ…さっさと出てこい…!」

男は依然、まるで狂ったかのように少年の名を呼び続けていた。
しかし、その怒気をはらんだ声も、徐々に遠ざかっていった。

それを聞いて路地裏に隠れていた少年は、安心したように息を吐くと、その場にヘナヘナと座り込んだ。

彼は空を見上げた。
そこにはどこまでも深い闇が広がっていた。

不意に少年の視界が歪み、なにか冷たいものが頬を伝った。それが涙だということを理解するのに、かなり時間がかかった。
少年の涙を流そうとするかのように、雨はより一層強くなっていく。


無機質な雨の音と、深い暗闇が、いつまでも少年を包んでいた。


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コメント

  • 赤い羊

    ありがとうございます!
    ご期待に添えるよう、頑張ります!!

    この話の続きは、少し先になるかもしれませんが、これからも見てくださると嬉しいです。

    3
  • ぐらふぁいと

    続きがとても気になる展開ですね!

    0
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