話題のラノベや投稿小説を無料で読むならノベルバ

炎獄のナイトクラッシュ

伊那国濤

遥か彼方の皇国へ

 飛行機は自家用ジャンボジェット。流石は王国子女。これくらい、余裕で使うことができる。

 王国に着くと全ての人間が敬意を表していた。

 「まぁ、王国子女だからね。理解できる話ではあるわね。」

 「だから、そのー、超能力発動させるのやめてもらっていいですかね。」

 車4〜5台くらいはあろうかというリムジンに乗り、宮廷へ。

 これまた、凄い。敷地のデカさから建物のつくりまで何から何まで、凄い。感嘆の声を漏らすばかりである。

 建物の中へ入ると応接間へ通された。父と母と、兄弟だろうか。4人いた。

 「この度はこの素晴らしい王国へとお招きいただきありがとうございます。」

 ここで一番行儀よさそうな三波に話してもらう。

 父、いや国王というべきか。話していく。
 「貴方方を招いたのは他でもない、我々自身の願いなのです。こちらこそわざわざ遠方からありがとうございます。」

 「どういった意味なのでしょう?」

 「はい、それに関しては今から、ご説明させて頂きます。」
「実は我々の国には、最先端の科学技術があります。それは、世界ではない世界。と言いましょうか、簡単に言うと『異世界』ですね。そんな世界を創り出すことが出来ます。そして、それは国内にのみにこの技術を公開しているので、国外の者は誰も知りません。しかしながら、その異世界で今、重大なる事件が発生しているのです。その事件によって国内は現在、危機的状況に陥っています。この状況を緩和・向上を図る為、依頼を頼んだ。という訳です。」

 「そこで何故俺らが出てくるのですか?」

 「はい、それは、娘の昔の友人でございますから。」

 はい!?
唖然。ただ愕然。単純に驚駭。

 隣のエリーヌを見ると、同じ顔をしている、だろう(自分の顔は見られないからな)。

 「そうなのです。エリーヌと東藤様は昔、一度会い、親しみを持つ関係になっているのです。それは、エリーヌが5歳、10年前、日本へ遊びに行った時の話です。私には理由はわかりませんが、その旅行で、エリーヌは強靭たる東藤様の話ばかりしておりました。そして今も、精強な東藤様のお力添えを願いたいと、お招きさせて頂いたという訳でございます。」

 ご丁寧にどうも。けど、エリーヌとの関係性についての驚きは未だ、継続中。というか、その驚きが強すぎて、あとの説明がなかなか、頭に入ってこなかった。

 「で、いつからその、異世界とやらにご案内頂けるのかしら?異世界なんて、最高でございますね。」

 笠原×異世界
 大丈夫だろうか…そのうち、アニメの主人公になりきって飛び出していったりしないだろうか…

 そんなこの重い空気感を破壊するかのように言葉を入れてきたのは相手の母であった。

 「貴方方4人で、その世界へと潜って頂きます。」

 破顔一笑。何故だろう。満面の笑みではないか。少しばかりの思考タイムをください。

 その笑顔を見ていると、断れるはずがないのだけど…その、異世界ってなんなんだよ。

 「詮方ない。やりますわ。」

 勝手に話進めんなよ!駄目だ。見事になりきっている。はぁー…

 異世界…そうか。なるほど。俺達は、主人公的な事をさせられている。最近、俺は選択の余地なく、話を決められる事が非常に多い。なかなか辛い。無念。

 言われるままに従い、付いたのは街の中心部。ある建物。その名も
『The Different world flights House』
えっと、直訳すると、
『異世界行きの家』
かな。
ふざけんな!そんなに異世界楽しいか!

 「まぁ、楽しいんじゃない〜。」

 なんかこの感じに慣れてしまった。

 建物の中へと入る。来店?というのかどうか。

 (店内?)中は意外にも暗めの演出。お洒落な感じ…

 待って。前言撤回求む。そうそう、「お洒落な感じ…」の一文。

 馬鹿か!足下におそらくだが泥酔して倒れたであろう、中年の小父さん。その人を失礼ながら跨いで、さらに奥へと進む。

 一番奥まで行くと、少しばかり厳重そうなドア前へ到着。重たそうな鉄の扉、南京錠×2(上と下)、鍵×3、指紋認証、網膜認証等々。
これのどこが少しばかり厳重なんだ!ヤバい、訂正。

 およそ5分後。イかれた量の警戒システムを漸く解き、中へ入る。

 またも唖然。口を開けているのに言葉が出てこない。

 まず、見えるのは、奥のデカ過ぎる謎!の装置。出た、アニメとかでありがちな水族館の水槽並みにデカイガラスの中には緑色の液体。
 そして、その手前に見えるのが、謎の装置付きの無数の寝台。そこに横たわる無数の人間。

 「ここのようですね。複数人同時使用可能な個室もあるようですね。」

 エリーヌが詳しく説明。

 「複数人同時使用可能な個室ってなんなんだ?」

 そこにも詳しく説明。

 「それは、異世界へ潜ったあと、一番始めは、個人がそれぞれ、異世界の各地へと飛ばされます。しかし、我々は団体ですので、そうなると、少しタイムロスですし、探す手間も省けますから。」

 「あー、なるほど。そんな感じなんだ。」
とても納得。意外としっかりしたシステムなんだ。
 
 潜る直前俺は最後に全員に告げた。
 「俺らはここまで流れに身を任せて進んできた。でも、ここからはそう簡単にはいかない。イレギュラーな事が待ってると思う。でも、どんな事にも、全員で乗り越えていこう!」
よし!珍しく俺の台詞がかっこよく決まった!

 と思った…

 「東藤さん、残念ながら、仮にも私はこの国の王国子女。異世界、潜った事あるんです。」

 何だろう。穴があったら入りたい。俺は、忸怩たる気持ちのまま異世界へと潜った。



「炎獄のナイトクラッシュ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く