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炎獄のナイトクラッシュ

伊那国濤

〜王国子女、人生最大の疲労〜

 私はこのアミルダ王国を統べる国王の父、カイザーク国王と、その妻であるセリシス王妃の間にできた長女。因みに今現在アミルダ王国の王(私の両親)の代は第十三代目だ。
 
 家族は他に兄と弟がいる。兄はとても賢く、逆にそれしか取り柄は無い。弟は反対にバカだ。そしていつも天然で何を考えているか皆目検討もつかない。しかし、そこは可愛い気がするから、兄よりは好きだ。

 目覚まし時計はam5:43という数字を示していた。春の麗らかな日差しを浴びてわたしは今朝、起きた。       

 ここから、私の1日は始まる。

 単純にだだっ広いだけの私の部屋へは、ベッド横の大きな窓から日差しが差し込む。

 いつものようにこのまるで立体迷路のような宮廷の階段を下り顔を洗って食堂へ。

 今朝の朝食はいつにも増して豪華であった。理由は私は起床した頃から解っていた。

 朝食を済ませ部屋へ戻り、制服に身を包む。
 「ーーーー。」
 鏡を見ながら、少しばかり小さくなった制服の思い出を振り返る。

 そして、車4〜5台はあろうかというリムジンに乗り、学校の校門の前まで行く。

 今日、漸くこの日がやって来た。待ちに待った卒業式のことである。もう間も無く創立約120年を迎える国立学校の卒業式だ。因みに国内ではレベルは恐らく1位じゃないだろうか。

 中学校3年間は途轍もなく地獄といえる3年間だった。
それは王国子女という立場の為、皆んなからある意味引かれ続けていた為だ。
 その例を挙げてみようか。

 どんなに混んだ廊下でも、私が通ろうとすると、必ず全員真ん中を開け跪くし、授業中では、指名されて発表し答えを言うだけで、あふれんばかりの拍手喝采が沸き起こる。すごい時は隣のクラスを超え、上のフロアから鳴り響くことも多々。極め付けは、体育祭のリレーで同じ区間を走る人が私を絶対に抜かないよう、必ず転んで抜かれてから走ることが鉄則だったり。それについては練習、本番の両方でその人達の脚は傷だらけになり、もう毎回心が痛む。

 これはこれで、こちら側もなかなかきついんですけど…

 でも、そんなことも遂に終わるのだ。卒業式、万歳!

 そうして、式は開式した。式辞に祝辞、答辞に送辞とお決まりの進行方向で式は進む。学校が学校で、毎年色々と来賓が来るのが特徴でそれ以外は何もなかった。国会議員や公務員等の国会機関で権力を握る者がその例だ。

 繰り返すが特に何もなく(首席代表として色々と話したり、卒業祝いの品を無駄なくらい貰ったりはしたが…)式を終えて、そしてその後、何かと色々あり帰宅することができた頃には辺りはすっかり暗くなっていた。

 疲れた。単純に疲れた。凄く疲れた。

 夕食を終えて、父さん(家ではこう呼ぶ。)から呼び出しがあった。父さんの部屋の部屋の前に着くと、許可なりの返答を待ち、入ると、父さんと共に母さんも立っていた。

 「何?2人揃って。」

 尋ねると、とんでも発言が飛んできた。

 「お前ーー。」

 その衝撃発言を聞いて私はさっきまでの疲れが吹き飛んだ。但し、今まで以上に疲れが出てきたということ付きで。



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