ラブ × ロワイヤル
9 愛華Side 佐奈恵の秘密
PM 5時18分。
愛華が所属するゼミの講義が、予定より30分も延びてしまった。
先生が時間配分を間違えてしまい、次回までに提出する課題の内容範囲に差し掛かった時には、既に終了時刻をとっくに過ぎていたのだ。
隣の席に座っていた友人と課題の内容を確認してから、バタバタで帰る支度をして佐奈に連絡する。
“ 佐奈ッ♪ 有永のせいでめっちゃ延びたけど終わったよ〜! どこいるー? ”
“ 図書館! 1人で2階の1番奥の席に居るよ♪ ”
1分も経たないうちに返信が来た。
きっとケータイでも弄っていたのだろう。
そんなことを思いながら、今から行くね!とだけ返信し、まとめた荷物を持って教室を出ると、佐奈の待つ図書館へと向かう。
5階のゼミ室から下行きのエレベーターを待っていると背後から声をかけられた。
「あ、佐奈恵ちゃんの友達だ! 今から帰り?」
「長谷部 愛華だって!」
振り向くと幸太くんと雅斗くん。
雅斗くんが口にした言葉に、幸太くんがツッコむ。
「いえ、今から佐奈の待つ図書館に向かってついでにゼミの課題で必要な資料を借りに行く所です」
あたしはそう言う続けた。
「図書館か・・・ねぇ、一緒に行ってもいい?」
「俺たちも連れてけよ!」
いきなり言われた思ってもいなかった2人のその言葉に、あたしは戸惑いながらも返事をしてしまった。
「え!?あ、うん。わ、わっかりました・・・」
そうして一緒に図書館に向かうことになり、下りエレベーターの中で、あたしは佐奈に連絡した。
“ 向かってる途中に幸太くんと雅斗くんに会って、一緒に図書館に向かうことになった(汗)”
なかなか既読がつかず、返信もこなかったけど、読んでくれてますように。
そう何度も何度も願った。
いきなり3人で図書館に現れたら、きっと佐奈はパニックになる。
佐奈には、昔から心拍数の波が不安定になると過呼吸になるという症状が出る。
これは幼馴染のあたしだけが知る、佐奈の秘密。
佐奈は、大好きなFIVE RINGSのコンサートにどんなに行きたくても、心拍数であたしに心配かけてしまうことばかりを気にして、どんなに行きたくてもずっと我慢していた。
だから佐奈が最初にこの大学に行きたいって言い出したのには、かなり驚いた。
死ぬまでずっと会えないと思っていた人に、大学でたとえ機会は少なくても、チャンスがなくても、卒業式とかで一目だけでも見れればもう十分。
あたしはそんな佐奈の変わろうとしている姿を見て、どんなことがあっても絶対に佐奈を支えようと決意した。
佐奈とは常に一緒に居ることを心がけているし、お互いにその日にあった出来事などは報告し合うことにしている。
佐奈には教えていないけど、
その日あった出来事を佐奈の口から直接聞いた後、佐奈のお母さんにあたしがメールで連絡をしている。
これは、小学校から大学までずっと一緒のあたしに、佐奈のお母さんから直接頼まれていること。
でもきっとこのやりとりに、佐奈はとっくに気づいているのかもしれないけど。
昼食の時間にあたしの聞いた限りだと、今日の佐奈は会いたいと願ってた大好きな類くんから突然告白されたり、いきなり腕を掴まれたり、類くんの顔が何度も佐奈の至近距離に入ったり、、。
きっともうそろそろ限界を迎えるはず。
お願い、佐奈。
絶対にまた驚かせてしまうから、せめてメールを読んで心の準備はしておいて欲しい。
図書館に入っても佐奈からの返信がくることはなく、めちゃくちゃ心配になった。
佐奈、どうしちゃったの?
あんなにマメで、常にケータイをチェックしている佐奈が、こんなに連絡をしてこないなんて今までにはなかった。
あたしは、必死に2階に続く階段を駆け上がって佐奈の元へと急いだ。
愛華が所属するゼミの講義が、予定より30分も延びてしまった。
先生が時間配分を間違えてしまい、次回までに提出する課題の内容範囲に差し掛かった時には、既に終了時刻をとっくに過ぎていたのだ。
隣の席に座っていた友人と課題の内容を確認してから、バタバタで帰る支度をして佐奈に連絡する。
“ 佐奈ッ♪ 有永のせいでめっちゃ延びたけど終わったよ〜! どこいるー? ”
“ 図書館! 1人で2階の1番奥の席に居るよ♪ ”
1分も経たないうちに返信が来た。
きっとケータイでも弄っていたのだろう。
そんなことを思いながら、今から行くね!とだけ返信し、まとめた荷物を持って教室を出ると、佐奈の待つ図書館へと向かう。
5階のゼミ室から下行きのエレベーターを待っていると背後から声をかけられた。
「あ、佐奈恵ちゃんの友達だ! 今から帰り?」
「長谷部 愛華だって!」
振り向くと幸太くんと雅斗くん。
雅斗くんが口にした言葉に、幸太くんがツッコむ。
「いえ、今から佐奈の待つ図書館に向かってついでにゼミの課題で必要な資料を借りに行く所です」
あたしはそう言う続けた。
「図書館か・・・ねぇ、一緒に行ってもいい?」
「俺たちも連れてけよ!」
いきなり言われた思ってもいなかった2人のその言葉に、あたしは戸惑いながらも返事をしてしまった。
「え!?あ、うん。わ、わっかりました・・・」
そうして一緒に図書館に向かうことになり、下りエレベーターの中で、あたしは佐奈に連絡した。
“ 向かってる途中に幸太くんと雅斗くんに会って、一緒に図書館に向かうことになった(汗)”
なかなか既読がつかず、返信もこなかったけど、読んでくれてますように。
そう何度も何度も願った。
いきなり3人で図書館に現れたら、きっと佐奈はパニックになる。
佐奈には、昔から心拍数の波が不安定になると過呼吸になるという症状が出る。
これは幼馴染のあたしだけが知る、佐奈の秘密。
佐奈は、大好きなFIVE RINGSのコンサートにどんなに行きたくても、心拍数であたしに心配かけてしまうことばかりを気にして、どんなに行きたくてもずっと我慢していた。
だから佐奈が最初にこの大学に行きたいって言い出したのには、かなり驚いた。
死ぬまでずっと会えないと思っていた人に、大学でたとえ機会は少なくても、チャンスがなくても、卒業式とかで一目だけでも見れればもう十分。
あたしはそんな佐奈の変わろうとしている姿を見て、どんなことがあっても絶対に佐奈を支えようと決意した。
佐奈とは常に一緒に居ることを心がけているし、お互いにその日にあった出来事などは報告し合うことにしている。
佐奈には教えていないけど、
その日あった出来事を佐奈の口から直接聞いた後、佐奈のお母さんにあたしがメールで連絡をしている。
これは、小学校から大学までずっと一緒のあたしに、佐奈のお母さんから直接頼まれていること。
でもきっとこのやりとりに、佐奈はとっくに気づいているのかもしれないけど。
昼食の時間にあたしの聞いた限りだと、今日の佐奈は会いたいと願ってた大好きな類くんから突然告白されたり、いきなり腕を掴まれたり、類くんの顔が何度も佐奈の至近距離に入ったり、、。
きっともうそろそろ限界を迎えるはず。
お願い、佐奈。
絶対にまた驚かせてしまうから、せめてメールを読んで心の準備はしておいて欲しい。
図書館に入っても佐奈からの返信がくることはなく、めちゃくちゃ心配になった。
佐奈、どうしちゃったの?
あんなにマメで、常にケータイをチェックしている佐奈が、こんなに連絡をしてこないなんて今までにはなかった。
あたしは、必死に2階に続く階段を駆け上がって佐奈の元へと急いだ。
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