ラブ × ロワイヤル

小森 美佳

6 作戦会議

PM  12時15分。

今日の午前中は本当にいろんなことを考えすぎて、講義の内容すらもほとんど覚えてない。

お昼休憩なのにいつにも増して、かなりの疲労。
家に帰る頃にはどうなっているのだろう。
ずっと会いたいと待ち望んでいた人達だったけど、まさかの出来事の連続に心がついていかない。
もうそろそろ限界がきそう。
この後、どうすればいいのかな?
待合せの食堂に向かいながら2人は、同じことを考えた。


「お疲れ〜」
食堂の入口で合流すると、すぐに食券を購入して注文した品物を受け取ると空いている席を探す。


「ねね、類くんとはどうだったの〜?」

やっと見つけた席に着くや否や、ずっと気になっていたかのような口調で、愛華が体を前に乗り出して聞いてきた。

「いや、それがさ・・・」

佐奈恵は類くんから告白されたと愛華に打ち明けた。


「えぇ!? 嘘でしょ、マジぃ?」

「ちょっと愛ちゃん、声大きいって!」

「凄い展開じゃん!いきなりヤバすぎるって! それでどうしたの?」

愛華は目をキラキラさせながら口元を手で覆い、にやけている。


「どうしたのって?」

「もちろんOKしたんでしょ!?」

「いやっ、考えてから答えをだそう思って。時間もらってる所」

佐奈恵の返事が想像していたことと違ったのだろう。
にやけていた愛華から笑顔が消えた。


「え、なんで?告白されたら速攻でOKするって言ってたじゃんよ!」

「そうなんだけどさ、なんかちょっと不安なんだよね」

「何が?」

「だって、相手はアイドルだよ? 恋愛禁止じゃないのかな? それにましてや人気ナンバーワンの人だよ? そんな人の恋人に私がなっていいのかなとか。返事はゆっくりで良いって言われたから、それでいろいろ考えてみたらさ、なんか自信なくなってきちゃって・・・」

「あー、確かにそうだね。恋愛発覚したってニュースになっただけで類くんファンから凄い叩かれそうだし」

「もちろん、告白されたことは凄い嬉しいよ!ずっと夢見てたことだったし。OKしたとしても今後のこととか結構不安だし・・・」

「でも1番は相手を信じるって気持ちが大切だよ! あたしはどんな答えを出したとしても、佐奈のこと応援するから。後悔しないようにね!」

「うん、愛ちゃんありがとね」


お互いに笑顔を向けて、昼食を食べ始める。
愛華はカルボナーラ、佐奈恵は日替わりランチのハンバーグ定食。


「あ、そういえば愛ちゃんこそどうだったのよ?」

思い出したかのようにそう言ってから佐奈恵は、一口サイズに切ったハンバーグを口に放り込みながら笑顔で問いかけた。

「幸太くんとは何かあった?」

「別に告白とかそんな報告できることは何もないよ!ただ、ノート貸してって言われたから貸しただけ」

スプーンの上でカルボナーラをフォークで巻いていた愛華の手がいきなり止まった。
持っていたフォークを置いて、右手を見つめる。

ふいに蘇ってくるあの時の感触。
たった一瞬だったけど、力強くて大きい手だった。
思い出しただけでドキドキするけど、それ以上に、にやけが止まらない。


「え、何!まさか手とか繋いじゃったの!?」

愛華のその様子を見て、佐奈恵が顔を覗き込みながら声を張り上げる。


「あ、いや違う違う違う違う! ノート渡す時に本当に一瞬だったんだけど幸太くんと手が重なったんだ」

「ヤッバ! 愛ちゃんも幸太くんとかなり良い感じだね!」

「凄い力強くて大きい手だったの〜 えへへ〜」

自然と笑みがこぼれてくる。
あんな大きい手を繋いで歩けたら最高だろうな〜。

そんなことを考えていたら、あることを思い出した。


「あ、そういえばまだあのノート返してもらってないや! どうしよう?3時からのゼミで使うのに・・・」

1限からかなり時間が経っているのに、まだ幸太くんからノートを返してもらっていないことを思い出して戸惑う。

佐奈恵はそんな愛華の様子を見ながら頬杖をついて、愛華にニヤニヤ笑顔を向けながら口を開く。

「もしかしたら、そのノートに何かメッセージとか、幸太くんの連絡先とか書いてあったりして〜」

「キャー! そんな妄想みたいなこと実際にあったら気絶しちゃうって〜」

「気絶って何それ〜! でも書いてあったらロマンチックじゃない?」

だよね〜とお互いに笑い合い、
それからは世間話や週末に予定してるお出かけの話で盛り上がりながら昼食を食べ終える。


そして、だんだんと午後の講義開始時刻が迫る。



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