ラブ × ロワイヤル
4 佐奈恵 Side 席替え
ー 文学部 ー
廊下まで聞こえる各教室の騒がしい音。
文学部に在学する学生ほとんどが花咲 類くんのファンであり、9割が女子。
そのため、毎朝教室はかなりザワザワしていて私が教室に入って行っても、誰がどんなに大きな音を立てようとも気づく人はあまりいない。
今日は文学部で仲良しの友達、田所 美姫からは登校中に届いたメールで体調不良で休むと連絡を受けていた。
毎日座っている席に向かいながら、グループ学習で同じグループになったことのある友達とアイコンタクトや手を振ったりしながら挨拶を交わす。
席は、入口扉付近の前から5列目。
3人用机の真ん中で、右側の椅子には荷物を置いて座った。
するとすぐに、空いていた私の左隣の席に類くんと雅斗くんがやってきた。
「ちょっと〜、僕が座れないからずれてよ〜」
類くんが席に着くと、雅斗くんが駄々をこねるような言い方で拗ねた。
「後ろが空いてるんだからそこ座れ!」
類くんが後ろの席を指差しながら言い返すも、雅斗くんの言い方はますます子供っぽくなっていく。
「初めての授業で不安だから、隣に類が居てくれないと困る〜」
「はぁ?それでも最年長かよ!」
類くんが雅斗くんに秒でツッコむ。
「しょうがないな〜もう!佐奈恵ちゃん隣ズレてくれない?」
そんな雅斗くんの様子を見て、類くんが呆れながら私に問いかけてくる。
「えっ・・・わ、わかりました」
私と類くんが立って席を横にひとつずつズレる。
そこに置いてあった荷物は、自分の足元に置くことにした。
空いた1番左に雅斗くんが座り、真ん中が類くん、右が私の席順になった。
類くんとの距離1メートルもないじゃん。
もうこんな距離での講義なんて絶対無理だ、ヤバイ。
内心そう思いながら、なんで席ズレるのOKしちゃったんだろうと後悔した。
私が別の席に移動すれば良かったのに!!
ドキッーーー。
左隣にいる類くんとの距離感に私の心臓の動きがだんだんと早くなっていくことがわかる。
この胸の高鳴りに耐えきれなくなり、自分の胸に手をあてて深呼吸。
「佐奈恵ちゃんどうした?具合でも悪い?」
類くんが私の様子を伺いながら訪ねてくる。
「あ、ううん。大丈夫、なんでもないです」
「けど、顔色悪いよ?」
私の顔を覗き込みながら類くんが言った。
ドキッーーー。
「本当に大丈夫ですから。気にしないで下さい」
笑顔で答えたつもりだったけど、どうやら類くんにはお見通しみたい。
「佐奈恵ちゃん大丈夫?無理するのはよくないよ!」
雅斗くんもそんな私の様子を心配して声をかけてくれたけど、今の私には笑顔で答えるだけで精一杯。
深呼吸をすればする程、体中の体温が一気に上がって、顔まで火照っているのが自分でもわかる。
心拍数は今まで体験したことないほど、かなり早いスピードになっている。
「とりあえず俺、医務室連れて行くわ!」
そんな私の様子を見て、類くんが勢いよく席を立った。
「えっいや、そこまでしなくて本当に大丈夫なので」
「いいから!ほら、行くぞ!」
類くんはそう言うと、一方的に私の腕を掴んで医務室まで走りだした。
ドキッーー。
走っている時も類くんに腕を掴まれていることにドキドキして、
周りのことなんかほとんど見えなくなっていた。
廊下まで聞こえる各教室の騒がしい音。
文学部に在学する学生ほとんどが花咲 類くんのファンであり、9割が女子。
そのため、毎朝教室はかなりザワザワしていて私が教室に入って行っても、誰がどんなに大きな音を立てようとも気づく人はあまりいない。
今日は文学部で仲良しの友達、田所 美姫からは登校中に届いたメールで体調不良で休むと連絡を受けていた。
毎日座っている席に向かいながら、グループ学習で同じグループになったことのある友達とアイコンタクトや手を振ったりしながら挨拶を交わす。
席は、入口扉付近の前から5列目。
3人用机の真ん中で、右側の椅子には荷物を置いて座った。
するとすぐに、空いていた私の左隣の席に類くんと雅斗くんがやってきた。
「ちょっと〜、僕が座れないからずれてよ〜」
類くんが席に着くと、雅斗くんが駄々をこねるような言い方で拗ねた。
「後ろが空いてるんだからそこ座れ!」
類くんが後ろの席を指差しながら言い返すも、雅斗くんの言い方はますます子供っぽくなっていく。
「初めての授業で不安だから、隣に類が居てくれないと困る〜」
「はぁ?それでも最年長かよ!」
類くんが雅斗くんに秒でツッコむ。
「しょうがないな〜もう!佐奈恵ちゃん隣ズレてくれない?」
そんな雅斗くんの様子を見て、類くんが呆れながら私に問いかけてくる。
「えっ・・・わ、わかりました」
私と類くんが立って席を横にひとつずつズレる。
そこに置いてあった荷物は、自分の足元に置くことにした。
空いた1番左に雅斗くんが座り、真ん中が類くん、右が私の席順になった。
類くんとの距離1メートルもないじゃん。
もうこんな距離での講義なんて絶対無理だ、ヤバイ。
内心そう思いながら、なんで席ズレるのOKしちゃったんだろうと後悔した。
私が別の席に移動すれば良かったのに!!
ドキッーーー。
左隣にいる類くんとの距離感に私の心臓の動きがだんだんと早くなっていくことがわかる。
この胸の高鳴りに耐えきれなくなり、自分の胸に手をあてて深呼吸。
「佐奈恵ちゃんどうした?具合でも悪い?」
類くんが私の様子を伺いながら訪ねてくる。
「あ、ううん。大丈夫、なんでもないです」
「けど、顔色悪いよ?」
私の顔を覗き込みながら類くんが言った。
ドキッーーー。
「本当に大丈夫ですから。気にしないで下さい」
笑顔で答えたつもりだったけど、どうやら類くんにはお見通しみたい。
「佐奈恵ちゃん大丈夫?無理するのはよくないよ!」
雅斗くんもそんな私の様子を心配して声をかけてくれたけど、今の私には笑顔で答えるだけで精一杯。
深呼吸をすればする程、体中の体温が一気に上がって、顔まで火照っているのが自分でもわかる。
心拍数は今まで体験したことないほど、かなり早いスピードになっている。
「とりあえず俺、医務室連れて行くわ!」
そんな私の様子を見て、類くんが勢いよく席を立った。
「えっいや、そこまでしなくて本当に大丈夫なので」
「いいから!ほら、行くぞ!」
類くんはそう言うと、一方的に私の腕を掴んで医務室まで走りだした。
ドキッーー。
走っている時も類くんに腕を掴まれていることにドキドキして、
周りのことなんかほとんど見えなくなっていた。
「学園」の人気作品
書籍化作品
-
-
1
-
-
34
-
-
20
-
-
768
-
-
4503
-
-
1
-
-
89
-
-
0
-
-
969
コメント