ラブ × ロワイヤル
3 愛華 Side 夢と現実
ー 教育学部 ー
あたしは幸太くんとあまり会話ができないまま、1限が行われる教室の扉を開けた。
一瞬にしてガヤガヤした、いつもと何も変わらない教室の様子が目に入る。
お友達同士でお話している子もいれば、課題を進めている子、寝ている子、ケータイを見ている子など講義前の過ごし方は様々。
「おはよ〜」
あたしはよく話す友達と挨拶を交わしながら、学部内で一緒に居ることが多い、茶髪のロングストレートでクリッとしたタレ目が印象的な立川 由香里の姿を見つけると、その隣の席へと向かった。
前から8列目の窓側、4人用机の右から2番目。
隣には由香里が座っていて、両脇はお互いの荷物置き場になっている。
「由香里〜 おっはよ〜」
「ちょっと愛華何、朝から浮かれちゃって〜」
あたしが由香里の左隣の席に座るや否や
明らかにいつもとテンションが違う様子を悟ったのか、由香里は課題の手を止めて聞いてくる。
「え、だってね〜」
朝、正門を潜ったらFIVE RINGSのメンバーから声をかけられたと報告。
「嘘!? 本当に?昨日見た夢の話じゃなくて?」
ふと、さっきまで一緒だった幸太くんの存在を思い出し、教室中を見渡したが、姿はどこにもなかった。
教室の前までは一緒だったのに何処行ったんだろう?
必死に幸太くんを探しているあたしの様子を見て由香里が笑いながら言った。
「愛華、ついに願望が強くなりすぎて夢と現実わからなくなって見間違えたんじゃないの?」
「そんな訳ないって! 本当にお話したし、ついさっきまで一緒だったんだから〜!!」
「はいはい、わかったよ」
あたしの必死な様子を見て由香里は笑っている。
ついさっきまで一緒だった幸太くんが教室にいないことをは疑問だったけど、もうすぐ講義開始の時間なので、ノートやテキストなど必要なものを机に広げて、先生が来るまでは由香里といつも通りの世間話をした。
1限目の発達心理学の講義が始まってから20分が経過した時だった。
今日は1ヶ月後に控えた臨床心理士資格試験の範囲に関わる、とても大事な講義の真っ最中。
空いていたあたしの右隣の通路を挟んだ4人用机の1番左側に、誰かが遅刻で座った気配を感じた。
横目で確認すると、さっきまで一緒だった幸太くんだった。
「えぇ!?」
あたしのその声が教室中に響き渡り、一瞬で教室中の注目の的になる。
「ちょっとどうしたの?」
由香里はいきなり大声を出したあたしにかなり驚いていた。
「ほら隣見て!」
あたしが指差した方向に由香里が振り向く。
「嘘、マジで?本物じゃん・・・」
突如現れた幸太くんの存在に由香里も驚きを隠せず、開いた口が塞がらなくなっている。
教室中も幸太くんの存在に気付き始めると大声を出す人が現れたり、一気にザワつき始めた。
先生は教室がザワついているのに気付いているのかいないのかはわからないが、講義を黙々と続けている。
「愛華!」
「えっ?はい!!」
幸太くんからいきなり呼び捨てで呼ばれたことに驚き、勢いよく幸太くんの方へ振り向いた。
「あのさ、ちょっと心理学のノート貸してくんね?」
「あ・・はい。あたしので良ければ、どうぞ。」
「サンキュ!」
午後から講義がある為、心理学のノートは持っていた。
鞄から引っ張り出したそのノートを渡す時、幸太くんの手とあたしの手が軽く触れて重なった。
ドキッーーー。
心臓がかなり早いスピードで動いているのがわかる。
胸が熱い、ドキドキしすぎて苦しい。
こんな気持ち初めてだよ。どうしたら良いの?
今あたしの目の前にある現実は夢ではないんだよね?
その後の授業は、右隣にいる幸太くんの存在が気になりすぎてか、この気持ちについて考えていためか、大事な講義とわかっていながらもほとんど集中することができなかった。
あたしは幸太くんとあまり会話ができないまま、1限が行われる教室の扉を開けた。
一瞬にしてガヤガヤした、いつもと何も変わらない教室の様子が目に入る。
お友達同士でお話している子もいれば、課題を進めている子、寝ている子、ケータイを見ている子など講義前の過ごし方は様々。
「おはよ〜」
あたしはよく話す友達と挨拶を交わしながら、学部内で一緒に居ることが多い、茶髪のロングストレートでクリッとしたタレ目が印象的な立川 由香里の姿を見つけると、その隣の席へと向かった。
前から8列目の窓側、4人用机の右から2番目。
隣には由香里が座っていて、両脇はお互いの荷物置き場になっている。
「由香里〜 おっはよ〜」
「ちょっと愛華何、朝から浮かれちゃって〜」
あたしが由香里の左隣の席に座るや否や
明らかにいつもとテンションが違う様子を悟ったのか、由香里は課題の手を止めて聞いてくる。
「え、だってね〜」
朝、正門を潜ったらFIVE RINGSのメンバーから声をかけられたと報告。
「嘘!? 本当に?昨日見た夢の話じゃなくて?」
ふと、さっきまで一緒だった幸太くんの存在を思い出し、教室中を見渡したが、姿はどこにもなかった。
教室の前までは一緒だったのに何処行ったんだろう?
必死に幸太くんを探しているあたしの様子を見て由香里が笑いながら言った。
「愛華、ついに願望が強くなりすぎて夢と現実わからなくなって見間違えたんじゃないの?」
「そんな訳ないって! 本当にお話したし、ついさっきまで一緒だったんだから〜!!」
「はいはい、わかったよ」
あたしの必死な様子を見て由香里は笑っている。
ついさっきまで一緒だった幸太くんが教室にいないことをは疑問だったけど、もうすぐ講義開始の時間なので、ノートやテキストなど必要なものを机に広げて、先生が来るまでは由香里といつも通りの世間話をした。
1限目の発達心理学の講義が始まってから20分が経過した時だった。
今日は1ヶ月後に控えた臨床心理士資格試験の範囲に関わる、とても大事な講義の真っ最中。
空いていたあたしの右隣の通路を挟んだ4人用机の1番左側に、誰かが遅刻で座った気配を感じた。
横目で確認すると、さっきまで一緒だった幸太くんだった。
「えぇ!?」
あたしのその声が教室中に響き渡り、一瞬で教室中の注目の的になる。
「ちょっとどうしたの?」
由香里はいきなり大声を出したあたしにかなり驚いていた。
「ほら隣見て!」
あたしが指差した方向に由香里が振り向く。
「嘘、マジで?本物じゃん・・・」
突如現れた幸太くんの存在に由香里も驚きを隠せず、開いた口が塞がらなくなっている。
教室中も幸太くんの存在に気付き始めると大声を出す人が現れたり、一気にザワつき始めた。
先生は教室がザワついているのに気付いているのかいないのかはわからないが、講義を黙々と続けている。
「愛華!」
「えっ?はい!!」
幸太くんからいきなり呼び捨てで呼ばれたことに驚き、勢いよく幸太くんの方へ振り向いた。
「あのさ、ちょっと心理学のノート貸してくんね?」
「あ・・はい。あたしので良ければ、どうぞ。」
「サンキュ!」
午後から講義がある為、心理学のノートは持っていた。
鞄から引っ張り出したそのノートを渡す時、幸太くんの手とあたしの手が軽く触れて重なった。
ドキッーーー。
心臓がかなり早いスピードで動いているのがわかる。
胸が熱い、ドキドキしすぎて苦しい。
こんな気持ち初めてだよ。どうしたら良いの?
今あたしの目の前にある現実は夢ではないんだよね?
その後の授業は、右隣にいる幸太くんの存在が気になりすぎてか、この気持ちについて考えていためか、大事な講義とわかっていながらもほとんど集中することができなかった。
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