ラブ × ロワイヤル
2 顔合わせ
5月 8日(水)  AM 8時。
愛華がいつもの待合せの駅でケータイを見ながら、佐奈恵を待っている。
ふと顔を上げると、遠目に白の花柄ワンピースに黄色のカーディガンを羽織って歩いてくる彼女の姿が見えた。
「佐奈〜 おはよ!」
手を振りながら愛華が声を上げると、その声を聞いた佐奈恵が笑顔を見せて小走りで近づいてくる。
「愛ちゃん おっはぁ〜!」
2人で改札を通過してホームへ向かいながら、愛華はいつもの朝と変わらない会話を切り出した。
「今日は来るかな?」
「本当に早く大学でFIVE RINGSに会いたいよー」
毎朝のこの会話もいつもと何も変わらない。
私達は毎日一緒に登校していて、大学内でもメンバーとの遭遇を見逃さないようにと授業中以外はなるべく一緒に過ごしている。
この大学に在学している学生の誰よりも、FIVE RINGS全員に会いたいと願っている気持ちだけは負けない自信がある。
電車から大学行きの送迎バスに乗換えて、大学前で下車すると、世間話で盛り上がりながら大学の正門を潜る。
毎朝、待ち続けている人が居るかどうか目で探しながらキャンパスの中へと向かう。
いつもなら見つからなくてテンションが落ち気味になるが、今日はそうなる前に私達の名前を呼ぶ、何度も聞いたことのある声が聞こえてきた。
「あ、佐奈〜恵ちゃん!おっはよ〜」
「おい、長谷部 愛華!」
「ちょっとそんな言い方やめなって!」
思わず足が止まった。
聞こえたその声の主は考えなくてもすぐにわかった。
ずっと待ち望んでいたことがこれから起きようとしている現実に、一気に心拍数が上がり、胸周りが熱くなる。
期待を膨らませながら顔を向けると、そこにーー。
苺パフェが真ん中にプリントされた白Tシャツの上に赤チェックのシャツを羽織り、ジーパンに黒いキャップを深く被った、花咲 類くん。
無地の白Tシャツに黒レザーの革ジャンで、ダメージが入ったデニムにサングラスをかけた愛澤 幸太くん。
グレーのフード付きパーカーに黒で両脇に白い縦ラインが入ったスキニーパンツ姿で、黒縁の伊達眼鏡をかけた椿 雅斗くんの3人が、滅多に見ることのできない私服姿で立っていた。
この3人が大学に来たのは、私達が知っている限りでは初めてのこと。
残りの雄貴くんと澪音くんは、大学で何度か見かけたことはある。
でも、仕事の関係で大学に居る時間もとても短く、遅刻や早退が多かった。
なんで私達のこと知ってるの?
それに、名前まで?
私達は今の状況が理解できず、パニック状態。
「ねぇ、森口 佐奈恵ちゃんでしょ?」
佐奈恵の顔を覗きながら類くんが訪ねると、同じように幸太くんが口を挟む。
「教室まで案内しろよ! 長谷部 愛華、確か同じ学部だろ?」
「え、あっ!! ・・・っはい!!」
愛華は驚きと緊張で声が裏返ってしまった。
その私達の表情を見ていた、雅斗くんが口を開いた。
「幸太、いきなりそんな言い方したら失礼だろ!それに2人ともびっくりしてる」
「そうだったね、驚かせてゴメンね」
類くんは謝るが、幸太くんは自分の意思を曲げない。
「ったく、緊張なんかすんなよ!」
「え、あっ・・・いや、あのっ・・・え、あ、はい!」
愛華はロレツが回らず、もはや自分でも何を言ってるのかがわからなくなっている。
「今日、僕たち仕事休みだから1日ここで過ごそうと思ってね! でもなかなか知ってる子に出会えなくて困ってたんだけど、2人は同じ学部だったから声かけさせてもらったの!驚かせてゴメンね」
私達の顔色を伺いながら、類くんは可愛い口調で続ける。
「良かったら、教室まで案内してくれないかな?」
類くんのその言葉を聞き、私達はお互いに向き合って笑顔で頷きあった。
照れながらわかりましたと返事をすると、愛華は幸太くんと2人で、佐奈恵は類くんと雅斗くんと3人で、緊張しながら1限目が行われるそれぞれの教室に向かって歩き出した。
愛華がいつもの待合せの駅でケータイを見ながら、佐奈恵を待っている。
ふと顔を上げると、遠目に白の花柄ワンピースに黄色のカーディガンを羽織って歩いてくる彼女の姿が見えた。
「佐奈〜 おはよ!」
手を振りながら愛華が声を上げると、その声を聞いた佐奈恵が笑顔を見せて小走りで近づいてくる。
「愛ちゃん おっはぁ〜!」
2人で改札を通過してホームへ向かいながら、愛華はいつもの朝と変わらない会話を切り出した。
「今日は来るかな?」
「本当に早く大学でFIVE RINGSに会いたいよー」
毎朝のこの会話もいつもと何も変わらない。
私達は毎日一緒に登校していて、大学内でもメンバーとの遭遇を見逃さないようにと授業中以外はなるべく一緒に過ごしている。
この大学に在学している学生の誰よりも、FIVE RINGS全員に会いたいと願っている気持ちだけは負けない自信がある。
電車から大学行きの送迎バスに乗換えて、大学前で下車すると、世間話で盛り上がりながら大学の正門を潜る。
毎朝、待ち続けている人が居るかどうか目で探しながらキャンパスの中へと向かう。
いつもなら見つからなくてテンションが落ち気味になるが、今日はそうなる前に私達の名前を呼ぶ、何度も聞いたことのある声が聞こえてきた。
「あ、佐奈〜恵ちゃん!おっはよ〜」
「おい、長谷部 愛華!」
「ちょっとそんな言い方やめなって!」
思わず足が止まった。
聞こえたその声の主は考えなくてもすぐにわかった。
ずっと待ち望んでいたことがこれから起きようとしている現実に、一気に心拍数が上がり、胸周りが熱くなる。
期待を膨らませながら顔を向けると、そこにーー。
苺パフェが真ん中にプリントされた白Tシャツの上に赤チェックのシャツを羽織り、ジーパンに黒いキャップを深く被った、花咲 類くん。
無地の白Tシャツに黒レザーの革ジャンで、ダメージが入ったデニムにサングラスをかけた愛澤 幸太くん。
グレーのフード付きパーカーに黒で両脇に白い縦ラインが入ったスキニーパンツ姿で、黒縁の伊達眼鏡をかけた椿 雅斗くんの3人が、滅多に見ることのできない私服姿で立っていた。
この3人が大学に来たのは、私達が知っている限りでは初めてのこと。
残りの雄貴くんと澪音くんは、大学で何度か見かけたことはある。
でも、仕事の関係で大学に居る時間もとても短く、遅刻や早退が多かった。
なんで私達のこと知ってるの?
それに、名前まで?
私達は今の状況が理解できず、パニック状態。
「ねぇ、森口 佐奈恵ちゃんでしょ?」
佐奈恵の顔を覗きながら類くんが訪ねると、同じように幸太くんが口を挟む。
「教室まで案内しろよ! 長谷部 愛華、確か同じ学部だろ?」
「え、あっ!! ・・・っはい!!」
愛華は驚きと緊張で声が裏返ってしまった。
その私達の表情を見ていた、雅斗くんが口を開いた。
「幸太、いきなりそんな言い方したら失礼だろ!それに2人ともびっくりしてる」
「そうだったね、驚かせてゴメンね」
類くんは謝るが、幸太くんは自分の意思を曲げない。
「ったく、緊張なんかすんなよ!」
「え、あっ・・・いや、あのっ・・・え、あ、はい!」
愛華はロレツが回らず、もはや自分でも何を言ってるのかがわからなくなっている。
「今日、僕たち仕事休みだから1日ここで過ごそうと思ってね! でもなかなか知ってる子に出会えなくて困ってたんだけど、2人は同じ学部だったから声かけさせてもらったの!驚かせてゴメンね」
私達の顔色を伺いながら、類くんは可愛い口調で続ける。
「良かったら、教室まで案内してくれないかな?」
類くんのその言葉を聞き、私達はお互いに向き合って笑顔で頷きあった。
照れながらわかりましたと返事をすると、愛華は幸太くんと2人で、佐奈恵は類くんと雅斗くんと3人で、緊張しながら1限目が行われるそれぞれの教室に向かって歩き出した。
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