憧れのままで、

苺夢

はじまりと失恋

「以上をもちまして、卒業証書授与式を終了いたします」
一同『起立!』『礼』『着席』

体育館の中は沢山の拍手でいっぱいにあふれ
卒業する先輩達を見送る在校生達

1年生の華奈は高校生になってもすぐで1年
中学の頃は高校生といえば部活もして彼氏を作り毎日キラキラしたものを連想していたが
この1年友達にも恵まれ軽音部に入部、部活もそれなりにやってそれなりに毎日楽しくやってはいたが
高校に入って初めて好きになった先輩とは一年なんの進展もなく今日高校生最初の恋は終わった
告白も考えたが相手には彼女がいて男の人と話すのが苦手な華奈はどーしたらいいのかもわからず諦めた

照れながら彼女に第2ボタンを渡す先輩、
何もできないまま彼女と門をでる先輩を見送った
 
キラキラした高校生活
恋愛の方はそう中々上手くいかない


                                    〜翌日〜


華奈は足取りが重かった

(卒業式の翌日でも普通登校かぁ…ダルいな、)

その日一日の授業は全く身に入らなかった
1年ももうすぐ終わるという事で大した授業ではなかったがどうも気が重かった
進展はなかったとはいえやはり失恋は辛い

放課後

華奈はいつものように部活へ行った、先輩との唯一の思い出の場所、
隣の部屋では定時制の楽器を弾く音が小さく聞こえる、いつ聞いても全日とは違い少しレベルが高い
部室に入る前華奈は定時の部活生と鉢合わせになった
顔はよく見ていなかったがカバンに目がいった
猫のプリントがされてある

(あ、可愛いカバン)

華奈はそう心の中でつぶやきペコリとお辞儀をして部室に入った
今日は誰も部室に来ないようだ
ドラムの前に座り部室の窓辺を見た
先輩がいつもギターを弾いてた場所

(…もうあの姿も見れないのか、)

華奈は悲しみと寂しさと共に涙が出てきた
これはいけないと華奈は気持ちを紛らわすかのようにドラムをたたいた気持ちが下がると決まって華奈は好きなドラムを叩く
ドラムを叩いている間は嫌な事も忘れられる気がした
叩きながら卒業式の先輩が頭に浮かんだ 
彼女と笑顔で門をくぐる先輩、、

…あの隣が私だったら良いのに、

胸が締め付けられるた
華奈は無我夢中でドラムを叩き続けた


……


どのくらい叩いてただろう、気づいたら外は薄暗くなっていた
ずっと叩いていたせいか耳に少し違和感を感じた
「はぁ、」と溜め息をつき視線を下に落ちる
するとどこからか"コンコン"とノックの音がした
華奈はパッと顔を上げると薄暗い窓の向こうに少し背の高い人影が立っていた
「!!」
ビックリして思わず変な声が出た
恐る恐るめをこらしてよく見るとどこか見た事のあるような人影がそこに立っていた

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コメント

  • 熊きち

    続きが読みたいです

    0
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