引きこもり女冒険者の生活を正します?
第1話 目標
私はヒリヒリする頭を抱えながら渋々クエストに出発する準備を進めた。
その間に私の頭に制裁を加えた私のお世話役であるらしい冒険者カイがテキパキと洗濯物を処理していく姿が目に映った。
いや〜なんだかんだで面倒ごと(主に家事)は全てヤツがやってくれますからね〜。甘えちゃいますよね〜うんうん。
出発の準備ができた私だが、まだカイ君が洗濯で忙しそうなので、終わるまでジュースを飲みながら温かい目で見守ってあげることにした。
ここで手伝わないのが私の良いところである。
「よっし!洗濯終わったぞ!」
カイ君はふぅっと息を吐きつつ外していた装備を再びつけていった。
「さてと、じゃあ今日の目標を発表するぞ!」
コヤツはクエストに出発する前、毎回律儀にこのように目標を張り切って発表してくるのだ。
私は仕方がなーく付き合ってあげるのだが、その目標が達成されることは今まで一度もなかった。
発表される目標が毎回私にとってとてつもなくハードルが高いのだ。
「今回はお前のレベルを『1』上げるぞ!」
「な、なにぃ!?」
自信満々にそんな無茶な目標を掲げるカイ君に、私は驚きを隠すことができなかった。
今まで発表されてきた目標は『スライムを1匹私に倒させる』だとか『ゴブリンを1匹私に倒させる』だとか頑張ればこなせるもの(めんどくさいからやらん)だったが、今回のはヤバイ、非常に
「なんだナルメア、なんでそんな顔が真っ青なんだ?」
っ!ここで最大の仮病サボりのチャンス到来!私は渾身の演技を披露した。
「ぐっ・・・お腹が・・・痛くなってきたぁ・・・」
「お前さっきうまそーーーにオレンジジュースぐびぐび飲んでたろ、そんな仮病もう通用せんぞ」
くっ・・・今まで計13回騙してクエストをサボってきたがもう流石に無理かチクショウ
「そのさ、レベルを上げるっての流石に無理じゃない??私スライムとかダメージは与えられるけど倒せないしさ!」
「それは大丈夫だ、お前が1ダメージでもモンスターに与えてくれれば、その後俺が倒してお前にも経験値が入るからな」
「えっ、つまり・・・」
「そう!この作業をナルメアのレベルが上がるまで繰り返す!」
なっなんてこった。めちゃ時間かかるしめんどくさいやつやん・・・
今までの『スライムを倒せ!』みたいな目標はやられたフリをすれば諦めて帰らせてくれたのだが、今回はずっとカイ君の監視付きか・・・
考えたなカイ君、ここまで逃げ道を塞がれたならば負けを認めざるを得ない・・・この策士めっ!!
「ふっ負けたよ、カイ君」
「お前はいったい何と戦ってたんだ」
私はまるで鉄球が足に付けられてるかの如く重た〜い足取りでクエストに出発するのであった。
その間に私の頭に制裁を加えた私のお世話役であるらしい冒険者カイがテキパキと洗濯物を処理していく姿が目に映った。
いや〜なんだかんだで面倒ごと(主に家事)は全てヤツがやってくれますからね〜。甘えちゃいますよね〜うんうん。
出発の準備ができた私だが、まだカイ君が洗濯で忙しそうなので、終わるまでジュースを飲みながら温かい目で見守ってあげることにした。
ここで手伝わないのが私の良いところである。
「よっし!洗濯終わったぞ!」
カイ君はふぅっと息を吐きつつ外していた装備を再びつけていった。
「さてと、じゃあ今日の目標を発表するぞ!」
コヤツはクエストに出発する前、毎回律儀にこのように目標を張り切って発表してくるのだ。
私は仕方がなーく付き合ってあげるのだが、その目標が達成されることは今まで一度もなかった。
発表される目標が毎回私にとってとてつもなくハードルが高いのだ。
「今回はお前のレベルを『1』上げるぞ!」
「な、なにぃ!?」
自信満々にそんな無茶な目標を掲げるカイ君に、私は驚きを隠すことができなかった。
今まで発表されてきた目標は『スライムを1匹私に倒させる』だとか『ゴブリンを1匹私に倒させる』だとか頑張ればこなせるもの(めんどくさいからやらん)だったが、今回のはヤバイ、非常に
「なんだナルメア、なんでそんな顔が真っ青なんだ?」
っ!ここで最大の仮病サボりのチャンス到来!私は渾身の演技を披露した。
「ぐっ・・・お腹が・・・痛くなってきたぁ・・・」
「お前さっきうまそーーーにオレンジジュースぐびぐび飲んでたろ、そんな仮病もう通用せんぞ」
くっ・・・今まで計13回騙してクエストをサボってきたがもう流石に無理かチクショウ
「そのさ、レベルを上げるっての流石に無理じゃない??私スライムとかダメージは与えられるけど倒せないしさ!」
「それは大丈夫だ、お前が1ダメージでもモンスターに与えてくれれば、その後俺が倒してお前にも経験値が入るからな」
「えっ、つまり・・・」
「そう!この作業をナルメアのレベルが上がるまで繰り返す!」
なっなんてこった。めちゃ時間かかるしめんどくさいやつやん・・・
今までの『スライムを倒せ!』みたいな目標はやられたフリをすれば諦めて帰らせてくれたのだが、今回はずっとカイ君の監視付きか・・・
考えたなカイ君、ここまで逃げ道を塞がれたならば負けを認めざるを得ない・・・この策士めっ!!
「ふっ負けたよ、カイ君」
「お前はいったい何と戦ってたんだ」
私はまるで鉄球が足に付けられてるかの如く重た〜い足取りでクエストに出発するのであった。
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