異能ガチャと勇者逃亡生活
何を失った?
樹「ま……だ…だ。ま…だ……たえな………ければ……にが……さ……なきゃ」
数分間樹は沢山の魔法を受けて耐えていた。
だが、樹の体は限界だった。体には複数の穴が開いて、皮膚は黒く焦げている。しかも無数の切り傷がありそこら中から血がでて打撲も無数にある。
今も魔法を打たれ穴、焦げ、切り傷、打撲が増えている。
つまり樹は根性だけで立っている状態だった。
アル「魔法兵魔法を止めろ。」
アルクは左手を上げて制止を呼びかける。
魔法を打ち終わったあとアルクは樹を見て奇妙な物を見るような目で見る。
その中に少しだけ尊敬の視線があるのを樹は少しだけ感じた。
アル「なぜお前はそんなに魔法を打ち込まれたのに立っていられる?」
アルクの質問に樹は限界な体を動かして答える。
樹「お…れ……は……もう……失う……わ…けに……はい……けな……い…ん……だ」
アル「もう失うわけには……か。過去に何があった?」
樹「何……が…あ…った?」
アルクの質問に樹は困惑する。
アル「何かあったのだろう、だから失いたくないと思うのだろう。違うのか?」
樹「過……去…に……失った?」
樹は自分の言葉に疑問を持った。
(読みにくいので「………」はなくします。でも樹は苦しんでいます。)
樹「俺は何を失ったんだ。分からない。でも、何かを失ったんだ。」
アルクは樹の困惑している状況を奇妙におもった。
だが、それ以上にアルクは樹の表情に意識が釘付けになった。
樹は涙を流しながら怒りのような悲しみのような怯えているようなそんな表情になっていた。
樹は自分の表情に気づいていない。
数秒後樹は突然何かを決意したような表情になる。
樹「何を失ったか分からない。だから後から考えることにする。今はお前を倒す!」
樹はアルクに正宗を向けながら言う。
アル「さっきまで酷い表情だったのに急に決意したような表情。まるで勇者を見ているみたいだ。でも、君は勇者じゃない。今の状況君は勝てない。そもそも足止めが私を倒すになっているけど聞き間違えかな?」
アルクはそう言うと自分の槍を樹に向けて………
アル「私は今から君を殺す。全力でだ。油断はしない。さらばだ。」
すると、いつもと同じようにアルクの姿が消える。
樹「正宗は今まで使い手を選んでいた。いわば正宗は意識、人格があると言う証拠。だがら!」
樹は正宗を構えながら叫ぶ。
樹「正宗!俺に力を貸せ!」
樹が叫ぶのと同時に樹の視界はアルクと戦っていた森じゃなく何処かの部屋……いや王城の玉座に似ていた。
その玉座の周りに6人の人型の何かがいる。
玉座の周りの人型の何かは羽が生えていたり頭に角があったりなど異形な生物たち。
そして玉座には黒い靄をまとった人型の人物?が座っていた。
玉座に座る人型の何かは一番人に近かった。
?「お前樹か………」
低い低い声でその何かは言った。
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