異能ガチャと勇者逃亡生活
破創刀 正宗
樹「だれ?」
樹は後ろにいた厳ついおっさんに話しかける。
ダル「俺はダルゲだ。ここの店長な。」
そう言ってニコッと笑う。どっかの組長やってそうだ。
樹「そうか。あぁ気に入ったよ。この刀。」
ダル「だろ。この刀は破創刀 正宗。何でも何千年前初代勇者の時代からある刀らしい。 」
樹「へぇ~。ダルゲさんこの刀をくれ。」
樹は悩んだ末に破創刀 正宗を買うことにした。
だが、
ダル「それは無理だ。」
ダルゲはその申し出を断った。
樹「なんでだ?」
樹は少し不機嫌になりながらもダルゲに理由を聞く。
ダル「この刀は使えないんだ。この刀は何故か魔物や魔獣などを切ろうとするとまるで鈍刀のように切れない。まるで持ち手を選んでるようだ。」
そう言ってダルゲはまるでお手上げとばかりに手をふる。
樹「我が儘な刀だな。でももしかしたら俺が使えるかも知れない。やってみていいか?」
ダル「やってみろよ。」
そう言うとダルゲは近くの何も入っていない樽を樹の目の前に置き、
ダル「これを切ってみろ。」
ダルゲは笑顔で人を殺せそうな笑顔をした。
樹「あぁ、やってやる!」
樹は正宗に意識を集中する。
すると正宗から黒色の蔓と白色の蔓が伸び樹と絡みあう。
樹「ふっ!」
そこから樹は樽に正宗を振るう。
そして樽は切れなかった。
ダル「やっぱりか切れないな。」
樹「そうだな……」
樹は違和感を感じた。切った感覚があったからだ。
樹「切った感覚はあったんだけどな。」
そう言って樹は正宗をみる。
ドン!
そんな音が樽から聞こえる。
樹やダルゲは樽をみると。
樽が真っ二つに切れていた。
樹・ダル「……………」
樹やダルゲは驚愕に呆然とした。
そこから無言でダルゲは樽に近づき切れ口をみる。
ダル「すげえ切れ味だ。凄いツルツルするぞこの切れ口。」
ダルゲは切れ口を触りながら言う。
ダル「だが、その刀使えたか。」
樹「て、言うことは……」
ダルゲはニヤリとして
ダル「あぁ、その刀売ってやる。」
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