異能ガチャと勇者逃亡生活

バーニー

━━の欠片と驚愕の一撃。


「「「さよならー」」」

 そんな声が教室に響いて学校が終わった。
 帰る準備をしつつ樹は頭をかかえる。

 はぁ、異世界とか社会人の時の感じは夢だと思えない。それにこれが夢だとしてあの転校生がなにか分からない、あんな転校生はいなかった。
 これは調査がひつようだな。

 そう、樹の記憶では転校生はいなかった。初日にあんなことをやらかす人を忘れるだろうか?いや否だ。
 考えていると甲田や桜が喋りかけてくる。

「何を考えてるんだよ!」

「樹君一緒にかえろーよ。」

 甲田、お前は朝も同じようなことを言ってなかったか………。まあいいや馬鹿だし。
 当然記憶との違いなどを調べるため断る。

「ごめん。今日は調べごとがあるんだ、だから一緒に帰れない。すまん。」

 そう言って手を合わせて、頭を下げる。

「えー。まぁ良いけど………」

 桜は渋々オーケーを出す。
 甲田は……

「俺もついて行って「ダメ!」即答!」

 うん。聞く必要なかったな。

 なんか文句が聞こえるが無視無視。さあ、調査しに行くぞ!


 こういうのってわくわくするよね。







 this isフェン

「大丈夫!」

 スキルをみせて貰おうと思ったらいきなり樹が倒れた
 それをフェンはすぐに下に周り樹を支える。

「樹!樹!」

 叫んでも応答がなく、心臓の音を確かめるが鼓動はしている。

 なんで、どうしよう!このまま樹が死んだりしたら……嫌嫌嫌嫌。

 フェンは顔をくしゃくしゃにして樹を呼ぶ。

「樹!樹!あぁ私は勇者なのに目の前の樹を救えないの?なんで!」

 自分に憤怒しながら樹を呼ぶ。
 そこでフェンは頬を叩いて樹を起こそうと考える。
 そして樹の頬を叩く。

 だかしかし考えてほしいフェンは勇者だが樹はスキルこそ強いが職業は村人。しかもこないだまでしがない会社員。そんな樹を勇者のフェンが叩くと……

ドギャン!!!

 樹は物凄い速度で近くに岩にぶつかる。

「あ……」

 これにはフェンも樹が倒れ慌てていた頭も落ち着く。
 そして考えを放棄。

「あ!樹!」

 フェンの頭は再稼働して状況を理解。慌てて樹の元に駆け寄る。

「樹!だいじょ……」

 すると樹から黒い靄が出てきてた。


……決して凄い勢いで地面を擦ったから焦げた煙でない。いや少しあるかも。

 すると突然樹が立ち上がった。

 フェンにもギリギリしか見えない程の早さで。

「樹?」

 フェンは不安げな表情で問いかける。

 すると樹は口を開いて……

「ぐっガガガヵヵヵヵァァァァァァ!」

 急に叫び出す。その声は憎しみ、悲しみ、絶望などの声が含まれていた。

「ナゼダァァァァァァ!ナゼ」

「樹!!!」

 フェンは樹に声をかけるが、

「ぐガガガヵヵヵヵァァァァァァ!」

と、叫ぶ。
 その後もフェンは樹に声をかけ続けた。だか、暴走樹は声をかけるフェンが鬱陶しいのか、手を振り上げ指を揃えフェンへ振り下げる。

 普通はそんなのどうでも良い。樹と同じ職業の村人でも避けないような攻撃。ただ指を揃えて振り下げるだけ。

 フェンも無視しようと思った。だが急に背中に冷たいものが走ると自然に避けた。
 それは正解だった。
 何故なら樹が振り下げた所から地面に亀裂が入り割れ大きな谷が出来ていた。

 フェンですらこんなの喰らったらお終いだった。そんなの一撃。

 フェンは思う。こんな一撃をどうやって出しているのかと。
 だが、樹はただ単純なことをやっただけ。樹が使ったのはただの手刀。そうただの手刀なのだ。

 フェンは思う。どうやって樹を止めようと。
 まだまだフェンの戦いは続く。





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