神様はチートはくれないけど元々俺のステータスはチートだった

おねむねむねむのきょう

大会編 二章 大会予選17

かなり短くなりました。



「そんな、馬鹿な」
思わず言葉をこぼしてしまう。
それもそのはず、フレアの言う事が真実ならば彼女はあらかじめ自分が倒されるという事が分かっていたという事だ。
基本、このような戦いではなるべく傷付かないように戦うものなのだ。
理由は勿論、一騎打ちにおいて傷を負えば負うほど体力は減り、痛みで戦いに集中できないからだ。
確かに騎士のなかではそういう戦法を取る者も居ると聞いた事はあるが、ましてはこの若さで反撃カウンターを狙う者はなかなかいない。
実力や経験、体格の差はかなりあったはず、なのになぜ負けた。
いくら考え様とも答えは出ない。
何故なら、ガークスが自分の重大なミスに気が付かなかったからだ。
フレアにあってガークスにない物、それは競う相手ライバルであった。
その違いはフレアには努力する力を与え、ガークスには薄っぺらな自信を与えた。
これにより最後に油断して簡単に負けてしまった。
「幻術を解いて」
険しい表情でガークスを見つめる。
「わかった」
反撃しようとして短剣や武器を使っても勝ち目はない、それどころか目の前に立つフレアが本物かどうかすらわからない。
勝てないと判断し、渋々幻術を解く。
その直後、フレアの視界を光が埋め尽くした。
いくら幻覚を見ているとはいえ体が危険だと判断し他の参加者までもが、思わず目を瞑る。
「赤の眷属よ 我の力を使い 世の理を破りて この地を 破滅へと 導かん!」
ヤバイ!この詠唱は広範囲に影響を及ぼすの魔法!
この場の全員を巻き込むつもり!
詠唱で大まかな魔法が何かは理解したが今のフレアには対応する術が無い。
「まさか、他の参加者も道連れにする気か?」
部屋中に満ちる光などもろともしない様子で1人の女性がガークスの隣に立っていた。
『色彩の覇者』の1人『水と白の魔法使い』のスノウだった。
ガークスの肩にポンと手を乗せると光が瞬く間に収まり、それと同時に絶大な不快感が体を襲い、詠唱が止まる。
「な、なな何が起こったんだ!」
「簡単な事だよ。単に魔眼を使っただけだよ。魔法のイメージって、簡単に乱れて壊れるんだよ。それを知らない内は三流って事だね。とりあえず、解除」
先程まで幻術をかけられていた者達が幻術から解除さた。
「この勝負、フレアの勝ち」
有無を言わさず強引にそう宣言する。
「って事で次進むよ」
「切り替えはやっ!」
思わず突っ込んでしまう。

こうして、フレアは順調に勝利していった。

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