ごみばこ

ノベルバユーザー91028

セカイ系SF

二月の翡翠(かわせみ)


ごく平凡な大学生、川崎瞬太(かわさきしゅんた)はある日大規模な交通事故に巻き込まれて死んでしまう。
気がつくと彼はあの世とこの世の境目にある「扉」の前に立たされていた。
無限に存在する並行世界同士を繋ぐ「境界の扉」の番人は、唯一「歴史の強制力」から逃れることのできる「特異点の能力者」である瞬太に興味を持ち、転生前の魂を召喚したのだった。
番人の思惑など知るはずもない瞬太は、無意識に境界の扉をくぐってしまう。扉がリンク先として繋いだのは、終末を間近に控えた「終わる世界・ガートランド」だった。


ガートランドは、異星人「ヴィーナス」の襲来を受け100年以上戦争状態にあった。強大な軍事力でガートランドの99%を支配したヴィーナスだが彼らもまた母星では絶滅の危機に瀕していた。
そんな状況下にあってもなお戦い続ける宿命を背負った者達–––––それが、対ヴィーナス特務機関である。世界の終焉を間近に控えても勝ち目のない戦いに明け暮れる対ヴィーナス特務機関所属の戦闘員「翡翠」は、ある日行き倒れていた一人の青年を拾う。


川崎瞬太
どこにでもいるごく普通の大学生。…かと思いきや、歴史の強制力から逃れることのできる「特異点の能力者」と判明。どの時代、どの世界に飛ばされてもその影響を受け付けることなく、またその世界に影響を及ぼすこともない。
交通事故に巻き込まれて死んだあと、本来ならばその魂はエネルギー界に還り次なる転生に備えるはずだったが、境界の扉の番人によって召喚され、境界の扉を開けてしまう。
扉が繋ぐリンク先の世界「ガートランド」へとたどり着いたあと翡翠に拾われ対ヴィーナス特務機関の一人として過酷極まりない戦いにその身を投じることとなる。
戦いも虚しく世界は終焉を迎え、ガートランドが滅びたあとたった一人生き残り孤独なまま余生を過ごすことになる。2度目の死の間際、再び現れた新たなる生命に喜び、とある言葉を言祝ぎとして贈った。これが彼の遺言となる。
2度目の死のあと彼は再び境界の扉の前に召喚され、そこで番人と初めて対面する。自分がなぜガートランドへ転生したのか、全ての謎を明かされる。


翡翠(かわせみ)
対ヴィーナス特務機関に所属する戦闘員。単騎で幾人ものヴィーナスを屠ってきた歴戦の猛者であり、非常に高い戦闘力を持つ。
翡翠という名前は機関に属する際に与えられたコードネームであり、本名は「葵 銀花」という。
行き倒れていた瞬太を拾い、彼にこの世界で生き残るための術を叩き込んだ。のちに自分と同じ戦闘員となった瞬太をバディとして迎え共に戦う。
抜群の連携力を誇るニコイチとして瞬太と数々の高難度任務を成功させてきたが、自分より遥かに強いヴィーナスと相対し瞬太を逃がすための捨て石となる。惜しくも戦いに敗れ殉死した。享年17歳。
コードネーム「翡翠」の由来は、二つとないほど美しい翡翠色の瞳から。

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