Federal Investigation Agency Investigator・連邦捜査庁の捜査官~皇帝直属のエージェントたち~
第4章5話
~夜~
その名の通り時刻は23時過ぎ…。思いっきり深夜帯である。そんな時間帯に伍長と首相は廃墟と化している赤レンガ倉庫風の建物の一角でおいてあった麻の敷物をかぶりじっと息を潜ませていた。
彼らが何故ここにいるか? それはここにある旧ソ連製の軍事機密兵器であり日本のアニメに出てきそうな機動戦士っぽい無人機動兵器の捜査であった。
なんでも夜な夜な無人兵器なのに動き出すらしく、この建物…というかこの辺りの土地の主であるフェルト陛下からの公式な捜査願いであった。
「(というか、何故シールドがあるのにこんな真似を?)」
と自分たちの周りを覆っているシールドを軽くたたく首相。すると叩かれた場所から空気の波紋が広がりそれは自分たちのシールドの形に添うように広がっている。
「(ばっかかお前!? 潜入捜査ならこういうのが定番なんだよ!)」
「(…なんだかんだで楽しんでますよね…?)」
呆れ半分ジト目半分の首相が伍長に言い放った。
「(いいじゃないか、だって無人兵器が動くのだよ、ほ~らもしかしたらその正体は、お! ば! け!)」
実は案外SF系の小説や映画、そして都市伝説など非科学的なものも大好きだったりする伍長さん。
懐中電灯を自分の顎に当てて影を使い首相をびっくりさせようとするが、首相は懐中電灯を左へ90度傾け…、
「(はいはい、馬鹿なことやってないで向こうを照らしてくだ…さ…い…よ…」
首相は傾けた懐中電灯が照らす先を見て言葉を失った。
それを訝しんでみる伍長だが、首相が見ている方へ視線を動かすと…
「あっ…」
同じく言葉を失った。
彼らの視線の先…そこには…
彼らがいる場所から数メートルしか離れておらず、細長い筒状の砲身を完全にこちらに向けている機動兵器だった。
しかもその砲身がかすかに光っている。
「なぁ…この兵器ってもともとこんな近くにあったか?」
「いえ…確か砲身は入り口を向いているはずなので、入り口から正反対のここに向くはずは…こんなに近いはずもないですし…」
「だよな…じゃあ何で砲身が光っているんだ?」
「確か…この兵器の主兵装はエネルギー弾ってアリスティンさんがおっしゃってましたが…」
「…明らかにやばくないか?」
「ええ…これは…」
「「逃げろっ!」」
全速力で伍長達は出入り口へと走り出した。二人ともスーツのはずなのだが異常に足が速かった。いや伍長はまだしも、首相に至ってはスーツ帽をかぶっているはずなのに、抑える必要がないほどしっかり頭におさまっていた。ぶれても落ちないスーツ帽、2190円な~りぃ~
そして彼ら二人が急いで走り出したその刹那!
キュゥゥゥゥン ドゴオオオオオオオオォォォォォンッッッッ!
彼らが数秒前にいた一角に、轟音が轟いた。
エネルギー弾が弾着した瞬間そのあたり一帯は砂埃や煙、そして焦げ臭さが立ち込めた。
「ちょ、おま! あれシールドがあっても意味ないんじゃね!?」
伍長は青ざめた。
必死の思いで赤レンガ倉庫を脱出した伍長達は少し離れた小高めの丘で倉庫を眺めていた。
「なぁ…。大丈夫なんだろうな? あれ出てこないよな…?」
「いや…、陛下の神学と魔学を組み合わせた技でしたっけ? あれで結界というのを張っているらしいのですが…」
「いや、それは知っている。
……………なんかさっきからあの建物…揺れてね!?」
…建物が揺れていた。そして徐々に崩れて行っているのが遠目で分かった。おそらく先ほどのエネルギー弾が原因で連鎖的に崩れてきたのだろう。
そして…
ガラガラガラガラ
赤レンガ倉庫が完全に崩れあたりには土煙が立ち込めていた。
「これは…例の兵器も壊れたか?」
だが完全に安心しきっている伍長の望みとは裏腹に、瓦礫と化していた倉庫跡に何かが飛んでいるのが分かった。
足から赤い光を発しながらそれはこちらへどんどん近づいてきている。
それは…ジェットエンジンを積んだ例の機動兵器であった。
「って! あいつ空飛ぶのかよ!」
明らかにこちらに向かってきている機動兵器、もう殺意丸出しの砲身がこちらに向いて先ほど同様砲身内が光っていた。
その光が一瞬消えたかと思ったその刹那!
キュゥゥゥゥン ドゴオオオオオオオオォォォォォンッッッッ!
光の筋が先ほどまで伍長達がいた場所に伸び、地面に触れた瞬間大爆発を起こした。
だが直前に逃げ出したことにより、その場に伍長達はいなかった。
無人兵器は外したことを確認すると全速力で走っていた伍長達へ更なる追撃を試みるため砲身を光らせながら伍長達の方へ飛んで行った。
時速10㎞前後。
初期型のジェットエンジン装備型なので遅いのもあるが第一百云㎞で飛んでも意味はないと思う。というかフェルトさんの結界によって速度がそんなに出ないのが大きい。
「おい! 追いかけてくるぞ!」
「これ…まずいですよ! このまま進めば自然破壊につながる恐れがありますし!」
二人は走りながら大声でそう話した。
「首相! 回れ右だ!」
「は? 何故!」
「このままいけばいろいろまずい! 被害を一か所にとどめるために戻るぞ!」
「了解! 戻るぞ!」
急激にUターンをしたため機動兵器はそれの反応が間に合わず急停止をかけあわや墜落しそうになった。
伍長達からしてみれば、墜落した方がありがたいのだが、それは捜査とは言わない。
機動兵器は数秒、伍長達を捜索するように空中で停止していたが、反転し赤レンガ倉庫の方へ走っていた伍長達を見つけそこに向かってエネルギー弾を発射した。
キュゥゥゥゥン
発射の時になる特有の機械音が機動兵器から鳴り出したので伍長達は右へ逸れた。
その瞬間、
ドゴオオオオオオオオォォォォォンッッッッ!
3秒前にいた場所に大爆発と爆音が響き渡った。
その名の通り時刻は23時過ぎ…。思いっきり深夜帯である。そんな時間帯に伍長と首相は廃墟と化している赤レンガ倉庫風の建物の一角でおいてあった麻の敷物をかぶりじっと息を潜ませていた。
彼らが何故ここにいるか? それはここにある旧ソ連製の軍事機密兵器であり日本のアニメに出てきそうな機動戦士っぽい無人機動兵器の捜査であった。
なんでも夜な夜な無人兵器なのに動き出すらしく、この建物…というかこの辺りの土地の主であるフェルト陛下からの公式な捜査願いであった。
「(というか、何故シールドがあるのにこんな真似を?)」
と自分たちの周りを覆っているシールドを軽くたたく首相。すると叩かれた場所から空気の波紋が広がりそれは自分たちのシールドの形に添うように広がっている。
「(ばっかかお前!? 潜入捜査ならこういうのが定番なんだよ!)」
「(…なんだかんだで楽しんでますよね…?)」
呆れ半分ジト目半分の首相が伍長に言い放った。
「(いいじゃないか、だって無人兵器が動くのだよ、ほ~らもしかしたらその正体は、お! ば! け!)」
実は案外SF系の小説や映画、そして都市伝説など非科学的なものも大好きだったりする伍長さん。
懐中電灯を自分の顎に当てて影を使い首相をびっくりさせようとするが、首相は懐中電灯を左へ90度傾け…、
「(はいはい、馬鹿なことやってないで向こうを照らしてくだ…さ…い…よ…」
首相は傾けた懐中電灯が照らす先を見て言葉を失った。
それを訝しんでみる伍長だが、首相が見ている方へ視線を動かすと…
「あっ…」
同じく言葉を失った。
彼らの視線の先…そこには…
彼らがいる場所から数メートルしか離れておらず、細長い筒状の砲身を完全にこちらに向けている機動兵器だった。
しかもその砲身がかすかに光っている。
「なぁ…この兵器ってもともとこんな近くにあったか?」
「いえ…確か砲身は入り口を向いているはずなので、入り口から正反対のここに向くはずは…こんなに近いはずもないですし…」
「だよな…じゃあ何で砲身が光っているんだ?」
「確か…この兵器の主兵装はエネルギー弾ってアリスティンさんがおっしゃってましたが…」
「…明らかにやばくないか?」
「ええ…これは…」
「「逃げろっ!」」
全速力で伍長達は出入り口へと走り出した。二人ともスーツのはずなのだが異常に足が速かった。いや伍長はまだしも、首相に至ってはスーツ帽をかぶっているはずなのに、抑える必要がないほどしっかり頭におさまっていた。ぶれても落ちないスーツ帽、2190円な~りぃ~
そして彼ら二人が急いで走り出したその刹那!
キュゥゥゥゥン ドゴオオオオオオオオォォォォォンッッッッ!
彼らが数秒前にいた一角に、轟音が轟いた。
エネルギー弾が弾着した瞬間そのあたり一帯は砂埃や煙、そして焦げ臭さが立ち込めた。
「ちょ、おま! あれシールドがあっても意味ないんじゃね!?」
伍長は青ざめた。
必死の思いで赤レンガ倉庫を脱出した伍長達は少し離れた小高めの丘で倉庫を眺めていた。
「なぁ…。大丈夫なんだろうな? あれ出てこないよな…?」
「いや…、陛下の神学と魔学を組み合わせた技でしたっけ? あれで結界というのを張っているらしいのですが…」
「いや、それは知っている。
……………なんかさっきからあの建物…揺れてね!?」
…建物が揺れていた。そして徐々に崩れて行っているのが遠目で分かった。おそらく先ほどのエネルギー弾が原因で連鎖的に崩れてきたのだろう。
そして…
ガラガラガラガラ
赤レンガ倉庫が完全に崩れあたりには土煙が立ち込めていた。
「これは…例の兵器も壊れたか?」
だが完全に安心しきっている伍長の望みとは裏腹に、瓦礫と化していた倉庫跡に何かが飛んでいるのが分かった。
足から赤い光を発しながらそれはこちらへどんどん近づいてきている。
それは…ジェットエンジンを積んだ例の機動兵器であった。
「って! あいつ空飛ぶのかよ!」
明らかにこちらに向かってきている機動兵器、もう殺意丸出しの砲身がこちらに向いて先ほど同様砲身内が光っていた。
その光が一瞬消えたかと思ったその刹那!
キュゥゥゥゥン ドゴオオオオオオオオォォォォォンッッッッ!
光の筋が先ほどまで伍長達がいた場所に伸び、地面に触れた瞬間大爆発を起こした。
だが直前に逃げ出したことにより、その場に伍長達はいなかった。
無人兵器は外したことを確認すると全速力で走っていた伍長達へ更なる追撃を試みるため砲身を光らせながら伍長達の方へ飛んで行った。
時速10㎞前後。
初期型のジェットエンジン装備型なので遅いのもあるが第一百云㎞で飛んでも意味はないと思う。というかフェルトさんの結界によって速度がそんなに出ないのが大きい。
「おい! 追いかけてくるぞ!」
「これ…まずいですよ! このまま進めば自然破壊につながる恐れがありますし!」
二人は走りながら大声でそう話した。
「首相! 回れ右だ!」
「は? 何故!」
「このままいけばいろいろまずい! 被害を一か所にとどめるために戻るぞ!」
「了解! 戻るぞ!」
急激にUターンをしたため機動兵器はそれの反応が間に合わず急停止をかけあわや墜落しそうになった。
伍長達からしてみれば、墜落した方がありがたいのだが、それは捜査とは言わない。
機動兵器は数秒、伍長達を捜索するように空中で停止していたが、反転し赤レンガ倉庫の方へ走っていた伍長達を見つけそこに向かってエネルギー弾を発射した。
キュゥゥゥゥン
発射の時になる特有の機械音が機動兵器から鳴り出したので伍長達は右へ逸れた。
その瞬間、
ドゴオオオオオオオオォォォォォンッッッッ!
3秒前にいた場所に大爆発と爆音が響き渡った。
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