Federal Investigation Agency Investigator・連邦捜査庁の捜査官~皇帝直属のエージェントたち~
第3章3話
リムジンが止まった。
別に何かの事故が起こり止まったわけでもなく、かといって皇居についたわけでもない。
リムジンの中からルーズルートを除く4名が降りてきた。
「ん? ルールは降りんのか?」
「ええ、私は一足先に皇帝陛下に謁見してまいります。」
そう言い残しリムジンは皇居方面へと消えていった。
さてさて、残された伍長たちがいるところだが…。一見すれば何かの遺跡のようにも見える…そんな場所にきていた。
建物は植物に侵食され長らく使っていなかったのだろうが、建物の外観は崩れておらず奇麗なままだった。
日本人がこれを見れば、赤レンガ倉庫かな? と思うだろう。
「どうぞ、こちらへ」
アリスティンの誘導のもと、彼らはその赤レンガ倉庫の重厚な木材の扉を開き、暗い室内へと足を踏み入れる。なおギィーという音は一切ならず静かに…そうまるで自動ドアかのように力を入れることなく開いていった。
「少し待っててくださいな。」
アリスティンは真っ暗で何も見えない室内の奥へ奥へと消えていった。
残された伍長、ヨシフ、チャーチムは暗い室内のある部分に目を凝らした。
「なぁ、あそこ。なんかないか?」
「ん? どれかね」
伍長が指さした方向には確かに何かの大きな影があった。
と、
バン
暗い室内に明かりがともされた。
そしてその影の部分がようやくともされたとき、その正体が判明した。
全長は約14mほどだろう。
胴体から延びる3つの棒がありその胴体を支えるために2つの足が伸びている…。そう! まるで昔流行し今もなお国民から愛される機動戦士アニメに出てくるロボットだろう。
だが何かが違う。
それは胴体に書かれていた国籍マークだった。その意味が真っ先に分かったのは一時期ソ連に旅行に行ったことのあるヨシフだった。
「赤いと黄色の五芒星…。まさか! ソ連機なのか!」
「ええ、そうですわ。かつてソ連が極秘裏に作ってらした機動兵器ですわ。ソ連の崩壊とともにD&Tが発見しリバースエンジニアリングをするために取り寄せた2つのうちの一つですわ。」
そう答えたのは機動兵器の奥からやってきたアリスティンであった。
アリスティンは機動兵器を下から眺めながら耳を疑うべきことを発言した。
「こちらですね、今も動く無・人・兵器なのですわよ」
「は? 今なんと」
何かとんでもないことを聞いたような気がした伍長。
「ですから今も動く無・人・兵器ですわよ。毎日深夜になるとこの兵器はこの倉庫内を暴れだし何度か脱走しそうになりましたの。
陛下はこれを封印し、今は一時的にその活動を抑えているのですけど、夜になると倉庫内を徘徊するのですわ」
「それは中に人が…」
「いえ、私たちも確認しましたもの。ですが人っ子一人、人が最近までいた形跡すらございませんもの」
これが夜になると動く。それを聞かされた伍長以下3名はあんぐり口を開け呆然とたたずみながら機動兵器を見ている。
「さて、これを見せるためにわざわざここまで来たわけではございませんわ。本題はこちら」
アリスティンは手招きするようなしぐさをし、入ってきたドアの丁度隣へ誘導した。
「地下ですか?」
首相がアリスティンにそう尋ねる。
入ってきたときは気が付かなかったが、そこには大きく口を開け地中奥深くへと続く階段がそこには存在していた。
「こちらですわ、付いてきてくださいまし」
伍長たちはアリスティンを先頭に階段を下っていた。
階段は最初のうちは、この倉庫同様壁も階段も天井もレンガ造りで統一された模様ばかりだったが
段数を重ねるごとにレンガ造りの統一された模様から、鉄筋コンクリート風の寂しい壁へと変わっていった。
しかもその階段の段数が尋常ではない。
おそらく20段は超えているだろう。
その証拠に、地上から漏れてくる日光がだいぶ小さくなってきているからだ。まあ実際は階段内も電機は通っているので、もしかしたら蛍光灯の光かもしれないが…。
そして階段で一番つらいのは…
「はぁ、はぁ、はぁ…。なぁまだつかんかね?」
ヨシフおじいちゃんだった。
何せ御年…いくつだろう? 実際ヨシフおじいちゃんの実年齢は孫でもある伍長も知らない、というより教えてくれない。
一説には60代だとか100代とか様々な憶測が飛び交う謎多き人物。それがヨシフおじいちゃんだった。
「ヨシフ閣下、もうすぐですわ」
「さっきからそればっかり聞いていたんじゃが。私は少し休ませてもらうよ」
そういい、ヨシフは階段へと腰を下ろした。
その刹那!
カチ
何かのスイッチオンとともに、なんと! 鉄筋コンクリート打ちっぱなしの階段の段差が一瞬にして下へと延びる滑り台へと変貌した。
つまり段差がなくなり坂道へと変わったのだ!
「なぁ…首相! 私さぁこういうの見たことあるんだよな…。大抵こういう場合って次に起きるのは…」
「ああ、奇遇だね私もそう思っていたところだよ」
「だよな、私さっきから壁に手をかけてこの状態を維持しているのだが、もう限界が来そうでな。」
伍長と首相は壁から手を放し滑り台へ身を任せることにした。
だが、運が悪いことに…
「って! 爺ちゃん! どいて!」
伍長の目の前に杖を起用に使いその場に耐えているヨシフがいた。
伍長は足を先頭にしているので、このままいけば後ろからけりが入ることになり…
ガツ
なんか鈍い音が伍長とヨシフから鳴り、そして…
バランスを崩した二人はそのまま一直線に下へと転がっていった。
別に何かの事故が起こり止まったわけでもなく、かといって皇居についたわけでもない。
リムジンの中からルーズルートを除く4名が降りてきた。
「ん? ルールは降りんのか?」
「ええ、私は一足先に皇帝陛下に謁見してまいります。」
そう言い残しリムジンは皇居方面へと消えていった。
さてさて、残された伍長たちがいるところだが…。一見すれば何かの遺跡のようにも見える…そんな場所にきていた。
建物は植物に侵食され長らく使っていなかったのだろうが、建物の外観は崩れておらず奇麗なままだった。
日本人がこれを見れば、赤レンガ倉庫かな? と思うだろう。
「どうぞ、こちらへ」
アリスティンの誘導のもと、彼らはその赤レンガ倉庫の重厚な木材の扉を開き、暗い室内へと足を踏み入れる。なおギィーという音は一切ならず静かに…そうまるで自動ドアかのように力を入れることなく開いていった。
「少し待っててくださいな。」
アリスティンは真っ暗で何も見えない室内の奥へ奥へと消えていった。
残された伍長、ヨシフ、チャーチムは暗い室内のある部分に目を凝らした。
「なぁ、あそこ。なんかないか?」
「ん? どれかね」
伍長が指さした方向には確かに何かの大きな影があった。
と、
バン
暗い室内に明かりがともされた。
そしてその影の部分がようやくともされたとき、その正体が判明した。
全長は約14mほどだろう。
胴体から延びる3つの棒がありその胴体を支えるために2つの足が伸びている…。そう! まるで昔流行し今もなお国民から愛される機動戦士アニメに出てくるロボットだろう。
だが何かが違う。
それは胴体に書かれていた国籍マークだった。その意味が真っ先に分かったのは一時期ソ連に旅行に行ったことのあるヨシフだった。
「赤いと黄色の五芒星…。まさか! ソ連機なのか!」
「ええ、そうですわ。かつてソ連が極秘裏に作ってらした機動兵器ですわ。ソ連の崩壊とともにD&Tが発見しリバースエンジニアリングをするために取り寄せた2つのうちの一つですわ。」
そう答えたのは機動兵器の奥からやってきたアリスティンであった。
アリスティンは機動兵器を下から眺めながら耳を疑うべきことを発言した。
「こちらですね、今も動く無・人・兵器なのですわよ」
「は? 今なんと」
何かとんでもないことを聞いたような気がした伍長。
「ですから今も動く無・人・兵器ですわよ。毎日深夜になるとこの兵器はこの倉庫内を暴れだし何度か脱走しそうになりましたの。
陛下はこれを封印し、今は一時的にその活動を抑えているのですけど、夜になると倉庫内を徘徊するのですわ」
「それは中に人が…」
「いえ、私たちも確認しましたもの。ですが人っ子一人、人が最近までいた形跡すらございませんもの」
これが夜になると動く。それを聞かされた伍長以下3名はあんぐり口を開け呆然とたたずみながら機動兵器を見ている。
「さて、これを見せるためにわざわざここまで来たわけではございませんわ。本題はこちら」
アリスティンは手招きするようなしぐさをし、入ってきたドアの丁度隣へ誘導した。
「地下ですか?」
首相がアリスティンにそう尋ねる。
入ってきたときは気が付かなかったが、そこには大きく口を開け地中奥深くへと続く階段がそこには存在していた。
「こちらですわ、付いてきてくださいまし」
伍長たちはアリスティンを先頭に階段を下っていた。
階段は最初のうちは、この倉庫同様壁も階段も天井もレンガ造りで統一された模様ばかりだったが
段数を重ねるごとにレンガ造りの統一された模様から、鉄筋コンクリート風の寂しい壁へと変わっていった。
しかもその階段の段数が尋常ではない。
おそらく20段は超えているだろう。
その証拠に、地上から漏れてくる日光がだいぶ小さくなってきているからだ。まあ実際は階段内も電機は通っているので、もしかしたら蛍光灯の光かもしれないが…。
そして階段で一番つらいのは…
「はぁ、はぁ、はぁ…。なぁまだつかんかね?」
ヨシフおじいちゃんだった。
何せ御年…いくつだろう? 実際ヨシフおじいちゃんの実年齢は孫でもある伍長も知らない、というより教えてくれない。
一説には60代だとか100代とか様々な憶測が飛び交う謎多き人物。それがヨシフおじいちゃんだった。
「ヨシフ閣下、もうすぐですわ」
「さっきからそればっかり聞いていたんじゃが。私は少し休ませてもらうよ」
そういい、ヨシフは階段へと腰を下ろした。
その刹那!
カチ
何かのスイッチオンとともに、なんと! 鉄筋コンクリート打ちっぱなしの階段の段差が一瞬にして下へと延びる滑り台へと変貌した。
つまり段差がなくなり坂道へと変わったのだ!
「なぁ…首相! 私さぁこういうの見たことあるんだよな…。大抵こういう場合って次に起きるのは…」
「ああ、奇遇だね私もそう思っていたところだよ」
「だよな、私さっきから壁に手をかけてこの状態を維持しているのだが、もう限界が来そうでな。」
伍長と首相は壁から手を放し滑り台へ身を任せることにした。
だが、運が悪いことに…
「って! 爺ちゃん! どいて!」
伍長の目の前に杖を起用に使いその場に耐えているヨシフがいた。
伍長は足を先頭にしているので、このままいけば後ろからけりが入ることになり…
ガツ
なんか鈍い音が伍長とヨシフから鳴り、そして…
バランスを崩した二人はそのまま一直線に下へと転がっていった。
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コメント
11月光志/11月ミツシ
はい! どうも、作者さんです。
ちょっと更新がされてませんが、小説家になろうでは投稿中です。以上です。