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女嫌いと男嫌いの勘違い青春

あさにゃん

42.文子vs凛音Ⅱ

雄也は夢を見た。
決して思い出したくない過去の夢を…
妙にリアルなその夢は花畑にある花の香りさえ漂って来そうだ。

???
「おいで、ゆうちゃん♪」

ゆうちゃん
「待ってよ皐月従姉様~」

広い花畑でおいかけっこをする女の子と男の子。

なんだ?これは…

楽しそうに笑いながら走る女の子と男の子には見覚えがあった。

皐月
「ほらほらこっちこっち!」

ゆうちゃん
「待ってってば~」

これは俺?

雄也
「速いよ~」

この花畑…見覚えがあるぞ…

夢の中だからだろうか、気持ち悪い浮遊感に悩まされながらも過去に見たことがあるであろう花畑の風景を手繰り寄せるたぐ よ  

ああ!思い出した!
そうだ!確かに幼い頃の俺だ!
それにもう一人は!…ッ

皐月
「フフフ」

『ドックン』

止めろ!俺!そいつに、ついていくな!
そいつは敵だ!悪魔だ!

胸が苦しいのか片手で胸を押されつけながら必死に夢の中の雄也に叫ぶ。

皐月
「アハハハ~ゆうちゃんに捕まえられちゃった♪」

雄也
「皐月従姉足速いよ~。もう疲れたよ~」

そいつはお前を、騙してる!
今すぐに離れるんだ俺!

聞こえないと分かっていても夢の中の雄也に、叫び続ける。

皐月
「それじゃお家帰ろっか?」

雄也
「えーでも、もっと遊びたい~」

皐月
「ダメよ。ほらお手手繋いで散歩しながら帰りましょ?」

雄也
「む~」

皐月
「ほら早くして」

雄也
「おんぶがいい」

頼む早く離れろ!
そいつは!そいつは!

皐月
「ゆうちゃんには私がついてるからね!これまでも過去これからも未来」ニーコ

雄也
「皐月従姉大好き!」

いくな!雄也!

走る雄也。おんぶされている夢の中の雄也に向かって叫びながら走る。

雄也!

どんなに走っても近づかないその距離。走っても走っても前に進まない。

雄也!雄也!

その背中はだんだんと小さくなっていき…

雄也!雄也!

ついには誰もいなくなってしまった…

雄也!!!!!


雄也
「雄也!!!!!」

勢いよく叫びながら目を覚ます。見えるのは部屋の天井に向かい突き上げられていた自分の腕。

雄也
「夢…だよな…」

現実を確認するために自分の頬を軽くつねる。

雄也
「痛みはあるな…」

現象確認は完了した。ここは現実世界。そして最後の記憶が正しければ学園長屋にいるはずだ。

文子
「すごくうなされてたわね?大丈夫?」

学園長はすぐに見つかった。学園長はいつかの立派な机に肘をつきながら、紅茶をすすっていた。

雄也
「ーそうですか?」

文子
「ええ。自分の手のひらを見てみなさい」

言われた通りに自分の手のひらを見つめてみる。

その手はぎっしりと手汗をかいていた。

雄也
「そうみたいですね。なら体調悪いので俺は帰っていいですか?」

文子
「いいわよ」

雄也
「そうですか?それじゃさようなーーーって、違うだろ?そこはしっかりと引き留める場面だろ?」

一度背を向けたと思ったら勢いよく振り返る。

文子
「ノリツッコミできたんだ。以外ね」

雄也
「俺も人生で初めてしたわ!俺はお宅の柊花蓮との今後について話会いに来たのに終わっちゃダメだろ!?」

文子
「その事なんだけどね~。今日はもう遅いからね、あの子、黒井凛音さんが後日四人で話し合いたいと言ってきたのよ。具体的に言えば私、花蓮、黒井さん、あなたの四人ね」

学園長屋から見える窓に指を指して説明する。

窓から見える外の風景は真っ暗だ。
夜遅いことが用意に理解できる。

雄也
「…」

文子
「面倒だって顔してるわよ?」

雄也
「面倒だからな…」

文子
「そうね…。あの子なかなかの強敵ね」

雄也
「はぁー、いつから女難の相でたんだよ…」

文子
「…大輝に送らせようか?」

携帯を手のひらでヒラヒラと振りながら雄也に、問いかける。

雄也
「…いや、いい。歩いて帰るわ」

長テーブルの脇に置いてあった鞄を手に取り、出口まで歩く。

正直送ってほしいとも思った。
もう、変な夢を見たせいでフラフラだ。

しかし、今は体力より気分転換をしたいと感じていた雄也は歩いて帰る事を選択する。

文子
「そう?」

雄也
「ああ。じゃ」

雄也はドアノブに手をかけてそのまま、部屋を後にした。

静かになった部屋で、一人の文子。

その顔は真剣そのもので、空に広がる星のカーペットを眺めながら、先の出来事を思い出していた。

それは………


         次に続く

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