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女嫌いと男嫌いの勘違い青春

あさにゃん

40.黒井凛音

※約三週間ぶりの投稿になってしまい申し訳ありません。
就職活動等で投稿できなくなっていました。
これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします。


「少し待っていただけませんか?」

学園長室へ向かっていた雄也に声がかけられる。

雄也
「ん?…」

その声は小さいながらも、雄也の足を止めるには十分なものだった。

聞いたことかあるような…

よくメロディーは覚えているのに歌詞を思い出すことができない違和感。
いわゆる「舌先現象」が雄也を襲った。

「お久しぶりですね!お元気でしたか?」

明るく挨拶をしてくる少女。雄也は少女の顔を見たとたん、すぐ違和感の正体を突き止める。

確かに見たことのある顔、声だった。

雄也
「ええ…お久しぶりですね…。黒井凛音……殿」

凛音
「そんな黒井凛音だなんて!『り·お·ん』と気軽に呼んで頂きたいですわ」

そう、この『まぁ』と胸の前で手を組み
。演技なのか素なのか読み取る事ができない笑顔を浮かべる少女こそが、長年に渡り雄也に婚約を迫ってきた張本人『黒井凛音』だ。

雄也
「いえ…大人気作家、黒井凛音· · · ·殿にそのようなことは…」

この肌白の少女黒井凛音は学生の身でありながら、ベストセラーという肩書きを持つのだ。

黒井凛音のデビュー作『女を嫌う男· · · · ·』では、男女の生々しい描写やドロドロとした人間関係で話題となり、一躍超大物ルーキーとして社会現象にもなった。

それでも学園で騒がれていないのは、黒井凛音が公の場で顔を出してないからだろう。

凛音
「そうおっしゃらずに…。雄也様には、名前で呼んで欲しいのです!」

グイッと一歩前にでて、下から覗き込む様に顔を近づける。

凛音
「そんなに露骨に嫌そうにしないでください。私の前でくらい素を見せてもいいんですよ?」

「残念です」とでも言いたげな顔をして直ぐに離れる凛音。

雄也
「それで、くろ…」

凛音
「凛音です」

雄也
「くろい…」

凛音
「凛音です」

雄也
「凛音さん…」

凛音
「り!お!ん!です!」

雄也
「…凛音は一体俺になんのようだ?できれば関わってほしくないんだが…」

結果的に根気負けして名前呼びをした雄也。

この口の悪さは
「事情を知らない仲じゃないし、素を見せろといってきたんだ、いいだろ」
「それに、鬱陶しいからどこかに行け」
そんな感情の表れだ。

凛音
「まぁー。やっと名前呼びしていただけましたね!ありがとうございます」

しかし、この少女酷い暴言を言われているのにとても嬉しそうだ。

しかも笑っている少女の周りまでキラキラさせるような純真無垢100%の笑顔から心の底から喜んでいる事が分かる。

雄也
「はぁー、それで?なんのよう?」

なんだか怒っていることが馬鹿馬鹿しなくなった雄也。今まで溜め込んでいた怒り、疲労などが全て、呆れにも近い感情になった。

凛音
「そうでした!聞きたい聞きたい事があったのですが…。この後お時間ありますか?」

時間の都合を、聞いてきたということは長話になる可能性があるということだ。

このあとは学園長と今後の対策を考える必要かあるため今日は無理だから…

雄也
「無理」

もはや条件反射に近いレベルだった。
(いやさ?この女凛音と長話したくなかったからとかさ?そんなことじゃねーよ?ほんとだよ?)

凛音
「そ、そうですか?随分即答ですね?」

流石に困惑している様子だ。

雄也
「あ、ああ。予定入ってるから」

そこで凛音の表情にくらい影が差した。

凛音
「その予定とは?もしかして柊花蓮さんですか?」

ついにきた!この質問!
雄也はこの質問が来ることを危惧していた。

だってな?俺今、彼女(嘘)がいるんだよ?そりゃ、昔からずっと婚約を申し込んでいた相手からしたら面白くないだろ?

最悪ナイフで刺されてもおかしくない修羅場だよ?

凛音
「で?どうなんですか?」

ゆるりとと一歩で距離を詰める。
この表情…

(この凛音病んでるのか?表情が某アニメの、『天使』とか呼ばれてたキャラみたいなんだけど!)

雄也
「ち、違う違う違う違う違う」

凛音
「…本当に?ですか?」

雄也
「神に誓っても」

凛音
「…なら、いいです」

雄也
(危なかった…。殺されるとこまで想像できたぞ。…てか、良く見るとこいつ天使に似てるな)

そっと離れる凛音。その表情は先程までの暗い影はなく、華やかなのもになっていた。

雄也
(女ってのは、やっぱり怖い生き物だな。普通はあんなにコロコロと表情変わらないぞ)

雄也は、「綺麗な薔薇にはトゲがある」ではなく。「笑顔の裏には闇がある」と感じていた。

凛音
「それで?雄也様。今日はどんなご用時が?念のために確認させてください」

ここで雄也はミスを犯す。

雄也
「あ、ああ。学園長に会うんだよ」

凛音
「学園長?それって柊文子さんですよね?」

雄也
「…はっ。いや、それはだな…その…」

(まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!まずい!これはまずい!)

二人の周りの温度が下がるような錯覚に襲われる。それは、一見笑顔に見える凛音からで、雰囲気が危ないことになっていた。

雄也
「いや、会うってもいってな!何もする訳じゃなく!」

凛音
「…何もしないなら私に付き合っていただけなすよね?」

雄也
「そ、それは…」

凛音
「それは?」

雄也は人生で二度目の恐怖を感じていた。気を抜けば足が震える。沈黙が辛い。

ま  じ  で  ヤ  バ  イ  

警鐘がなっていた。大音量だ。

凛音
「…私も行っていいですか?」

雄也
「は?」

凛音
「行っていいですか?」

雄也
「…はい」

凛音
「では、行きましょう。場所は学園長室でいいんですよね?」

雄也
「…はい」

誰もいないに廊下を歩く。

その絵面は、怒る後輩に怯えている上級生。
雄也のプライドをひどく傷つけるものだったが、だだ「はい」としか、うなずいて後を追うことしかできないのであった。


         次に続く
次回
文子VS凛音

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コメント

  • 獣王メコン川

    待ってました!

    0
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